3.動画選考について
3-1.動画選考とは?

動画選考とは、自己PRや質疑応答などを自分で撮影し、撮影した動画を提出して受ける選考のことです。
上述の「WEB面接」と似ているので混同してしまうかもしれませんが、「WEB面接」は面接官とリアルタイムにおこなう面接ですが、「動画選考」は用意された質問に応募者が回答する様子を録画して提出するところがポイントです。
動画選考は、ほかにも「動画面接」「自己PR動画」などとも呼ばれています。

動画選考は自分のペースで質問に回答でき、うまくいかなければ再撮影もできるところが特長です(※応募先によっては、再撮影に制限があることもあります)。
しかしその便利さがある反面、どれだけ準備したかで出来栄えに差がつきやすい一面もあります。採用面接の一環として、しっかり対策をして臨みましょう。
◎ 動画選考のメリット
・場所や時間を問わず、自分のペースで撮影・提出できる
・面接会場に行くための交通費や時間がかからない
・録画であることを活かした自己PRができる
・質問に対する回答の準備期間がある(例外もあり)
・再撮影ができる(例外もあり)
△ 動画選考のデメリット
・撮影機器とインターネットに接続できる環境が必要
・面接のように双方向のコミュニケーションがとれない
・応募者から質問ができない
3-2.使用ツール
動画選考で必要なツールを紹介します。
| 使用ツール | 用途/補足 |
|---|---|
| PC、スマホ、タブレットなど | 動画選考の撮影や提出に使用 |
| カメラ、マイク | スマホやタブレットでもOK |
| 動画選考用のアプリケーション、サイトなど | 応募先から指定されたものを使用 |
| インターネット回線 | 動画選考の提出に使用 |
| カメラ固定用のスタンド、三脚 | 設置が安定しない場合に使用 |
| ストップウォッチ | タイムキープが必要な場合に使用 |
単体のビデオカメラを使用する場合は、動画をPCに取り込むためのケーブルやカードリーダーなどが必要かどうか確認しましょう。
なかには、フリップボードや大きめの紙などにアピールしたい内容を書き、小道具として活用する人もいるようです。
3-3.動画選考の流れ
では実際に、動画選考の準備から撮影、提出までの一連の流れを見てみましょう。
①撮影内容の確認
応募先から指定された動画選考の内容を確認します。撮影手段や撮影時間、準備物、質問内容などをチェックし、不明点がある場合は早めに採用担当者に確認しておきましょう。
②回答内容の整理
質問内容をチェックしたら、回答する内容を整理します。動画選考は通常の面接のように会話形式ではないので、わかりやすく簡潔に答えることが重要です。メモなどに要点を整理しておくと、伝えたいポイントをぶらさずに回答しやすくなります。
また、回答は「私が御社を志望する理由は◯◯◯◯です。なぜなら〜」という形で、結論から話すことを心がけましょう。
③撮影機材・周辺環境の準備
カメラが揺れたり倒れたりしないよう、スタンドや三脚などでしっかり固定します。またカメラの位置が目線よりも低いと上から見下ろす形で圧迫感が出てしまうので、目線の高さになるようにセットします。
背景にも注意が必要です。整理整頓をすることはもちろん、アイドルのポスターなどの選考に関係のないものは外しておくほうが良いでしょう。
また、室内の明るさも要注意です。普段過ごしていて気にならなくても、画面上で見ると想像以上に暗く映っている場合もあります。照明を足す、場所を移動するなどして明るく映るところで撮りましょう。
④服装・身だしなみを整える
動画選考も面接の一種だとすれば、服装や身だしなみも当然重要になります。応募先からの指定がある場合はそれに従いますが、とくに指定がない場合は、対面面接と変わらない服装・髪型・メイクにすると良いでしょう。
服装については、こちらの記事も参考にしてみてください。
【スーツ・私服別】医療介護福祉職の面接にふさわしい服装・髪型・メイク・身だしなみまとめ
⑤テスト撮影
準備が整ったら、テスト撮影をします。いざ撮影してみると、思ったよりもうまく喋れなかったり、時間オーバーになったりするかもしれません。何度でも練習できるのが動画選考のいいところなので、自信が持てるまで何度も試してみましょう。家族や友人に見てもらい感想をもらうのもいいですね。
以下のような観点で問題がないかチェックしてください。
■動画選考のテスト撮影の確認ポイント・音量は適切か、聞き取りづらいところはないか
・映像の乱れはないか
・不要なものが映っていないか
・明るさは足りているか
・伝えたい要点が話せているか
・結論から簡潔に話せているか
・自然な笑顔になっているか
⑥本番撮影
十分にテスト撮影で練習できたら、いよいよ本番です。練習した通りに自然な笑顔で簡潔に、ハキハキと回答していきましょう。
なお、応募先によっては再撮影の回数制限が設けられている場合があるので、必ず撮影前に確認を忘れないでください。
⑦撮影した動画の確認・提出
撮影した動画の内容が問題ないかチェックします。納得のいく動画が撮れたら、指定の方法で提出して終了です。
3-4.よくある失敗例
ここでは、動画選考で起こりやすい失敗例を紹介します。気をつければ改善することが多いので、意識してみてください。
■棒読み、早口になってしまう
同じフレーズを何度も練習していると、つい棒読みや早口になりやすいようです。動画を確認するときは、自分が初めて動画を見る面接官になった気持ちで、話しぶりや速度をチェックするようにしましょう。
■伝えたいことがよくわからない
自分のことを知ってもらおうと、1つの回答に内容を盛り込みすぎると起こりやすい失敗例です。基本的に、1つの質問に対する回答は1メッセージとしましょう。
もし複数答えたい場合は、「理由は3つあります。1つ目は〜」というように順序立てて話すと、内容が混同せずにわかりやすく伝えられます。
3-5.よくある質問
慣れない動画選考の「これはやってもいいの?」という疑問にお答えします。
■撮影中にカンペを見てもいい?
本番の撮影で見ることはおすすめしません。カンペを読み上げていることは口調や目線で伝わってしまうものです。伝えたい内容はあらかじめ整理しておき、自分の言葉として答えられるようにしましょう。
■動画の向きは「縦」「横」どちらがいい?
応募先からの指定がある場合は、それに従いましょう。とくに指定がなければ、縦横どちらで撮っても構いません。撮影する環境に合わせて、撮りやすいほうを選びましょう。
■撮影した動画は編集していい?
こだわった演出や編集をする人もなかにはいますが、選考で重視されるのは動画の編集技術ではなく、その人の発言内容や振る舞いです。気負って編集する必要はありません。
もし手を加えるのであれば、明るさの調整や不要な部分のカットなど、動画の見やすさを改善する編集であれば問題ないでしょう。
4.WEB面接・動画選考をやってみよう!

一見難しそうなWEB面接・動画選考ですが、気をつけたいポイントさえ押さえられれば、場所や時間に囚われない就職・転職活動として取り入れられそうですね。オンライン上の面接や選考は、今後もさらに増えていくと予想されるので、ひとつの選択肢にしてみてはいかがでしょうか。
求人情報に「WEB面接可」の特徴がついていれば、WEB面接(動画選考)を受けることができます。以下の「WEB面接可の求人を探す」からも探せるので、どんな求人があるのかチェックしてみてくださいね。(ジョブメドレーの動画選考機能は2025年5月29日をもって終了しました)
