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【過去20年で最悪水準】全国の病院の6割超、本業が赤字──医療材料費・人件費急騰で「増収減益」固定化、診療停止も相次ぎ、地域医療は崩壊寸前に

【過去20年で最悪水準】全国の病院の6割超、本業が赤字──医療材料費・人件費急騰で「増収減益」固定化、診療停止も相次ぎ、地域医療は崩壊寸前に

地域医療は医療材料費や人件費の急騰によって増収減益の構造が固定化・診療停止が相次ぐなど、崩壊の瀬戸際にあるといえる。全国の民間病院の経営がこれほどまでに深刻化した状況は過去に例がなく、帝国データバンク(TDB)および厚生労働省が公表した最新調査では、病院の約7割が赤字に転落し、過去20年間で最悪の水準に達した。医療需要が高いにもかかわらず物価高と人件費の上昇が診療報酬の伸びを大きく上回り、「患者が減っていないのに病院だけが苦しくなる」という不可解な構造が常態化している。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

平均営業利益率はマイナス1.76%、債務超過比率も急増

TDBの調査によれば、全国約900の一般病院の平均営業利益率はマイナス1.76%と前年度からさらに悪化した。医師や看護師確保のための賃金改善や働き方改革の対応、さらには医療材料費・電気代・設備維持費の高騰が収益を圧迫し、とりわけ財務基盤の弱い中小病院で赤字幅が拡大している。債務超過比率も13.6%に急増し、設備更新の遅れによる老朽化、人材確保への悪影響など悪循環が加速している[図表1,2]。

注:2024年度は10月時点のデータに基づく 出典:全国「病院経営」動向調査(2024年度) [図表1]「病院」「診療所」の損益動向 注:2024年度は10月時点のデータに基づく
出典:全国「病院経営」動向調査(2024年度) 注1:2024年度は10月時点のデータに基づく 注2:営業利益平均は各年度の上下計10%を除いたトリム平均値 出典:全国「病院経営」動向調査(2024年度) [図表2]営業利益率平均 推移(2020年度以降)
注1:2024年度は10月時点のデータに基づく
注2:営業利益平均は各年度の上下計10%を除いたトリム平均値
出典:全国「病院経営」動向調査(2024年度)

厚労省調査でも72.7%が赤字、倒産・休廃業は年間106件

厚労省が実施した一般病院(20床以上)への調査でも、2024年度は72.7%が赤字という厳しい結果が示された。

倒産・休廃業は年間106件と前年から3割増の異常なペースで推移し、「地域から病院が消えていく」現象が現実のものとなっている。物価高や人件費の上昇に対し、診療報酬が2年に1度の改定では追いつかない構造的課題が深刻化している。

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