地方で赤字が顕著、四国は7割超が赤字に
地域別では地方ほど経営悪化が際立つ。四国では病院の7割超が赤字に陥り、北海道や九州も同様の傾向を示す。
人口減少による患者数減と医療従事者不足が重なり、固定費を賄えない構造が続いている。中部地方は比較的堅調とはいえ、それでも約半数が赤字に陥っており、決して安定しているとはいえない。
コスト高騰と医師不足…政府は支援を前倒しも、抜本策に至らず
大学病院や中核病院も深刻な影響を受けているようだ。最新医療機器は高額化が進み、更新を先送りできないため設備投資負担が増加し、経営を圧迫する。東海地方の中核病院では2024年度に約12億円の赤字を計上し、医療機器の更新費用が大きな要因となった。また医師不足も崩壊を加速させており、外科医が一斉退職したことで手術が全面停止し、内科医の不在で診療停止に追い込まれるなど、年間で6億5,000万円の減収が見込まれる事例も出ている。
また少子化の影響で産婦人科や小児科は採算が厳しいが、地域医療を確保するため病院は容易に撤退できない。経営合理性と公共性の板挟みとなる状況が続き、使命と収益のジレンマが経営をさらに苦しめている。
政府は2025年度補正予算で物価高対策や医療従事者の賃上げ支援として5,300億円を計上し、「診療報酬改定を待たず前倒しで支援する」とした。しかし補助金は一時的措置にすぎず、構造的な赤字体質を根本的に改善するには至っていないとの見方が専門家の間で広がっている。
