日本は病院が多すぎる? 再編で持続可能性を取り戻した成功例
OECDの比較では、日本は人口当たりの病院数・病床数が突出して多い。人口100万人あたりの病院数は65施設、人口1,000人あたりの病床数は13床と世界有数の多さだ。病院数の多さが固定費増大や人材不足につながり、持続可能性を損なう構造を生んでいるとの指摘も根強い。
一方で病院再編によって経営と医療の質を改善した事例もある。静岡県の中東遠総合医療センターは、掛川市立総合病院と袋井市民病院を統合して誕生し、医師不足の解消や救急搬送受け入れ時間の短縮を実現した。症例数の増加で若手育成環境も整備され、地域医療の持続可能性が大幅に向上した。厚労省は「地域医療構想」に基づき全国で病床集約や再編を進めており、今回の危機はその動きを一段と加速させる要因となりうる。
日本の医療体制は複合危機のただ中に
物価高、人件費増、医師不足、不採算部門の増加、老朽化、過剰な病院数──これら複数の要因が複雑に絡み合い、日本の病院経営は過去最悪の危機に直面している。赤字病院は約7割、倒産・休廃業も過去に例のないペースで増え、診療停止や手術停止が全国で現実となりつつある。
政府は補助金で急場をしのぎつつ再編を推進しているが、医療体制の持続可能性を取り戻すには抜本的改革と国民的議論が不可欠である。日本の医療は今まさに複合的な危機に直面しており、その解決には構造的な見直しが求められている。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
