◆制限速度は50キロ、“スピードを上げる必要はない”と判断

金田進さん(仮名・30代)は、郊外の片道一車線を走っていた。この日は、そこまで混雑していなかったのだが、後ろから猛スピードで近づいてくる車がバックミラーに映り込んだという。
「え、近すぎないか?」
次の瞬間、その車はパッシングを繰り返し、クラクションを鳴らしはじめた。
「どうやら私の速度が気に入らなかったみたいですね。でも、制限時速は50キロ。私はその速度を守っているし、無理に“スピードを上げる必要はない”と判断しました」
すると、その車は金田さんの車を追い越し、直後に急ブレーキをかけてきた。
「危うく追突しそうになって、なんとかハンドルを切って難を逃れました。心臓はバクバクでした」
その車は前方で蛇行運転を続け、金田さんを威嚇してきたという。
「相手は30代くらいの男性で、助手席にも誰か乗っていましたね。巻き込まれたくないけど、どうすればよいのか……。それだけを考えて走っていました」
幸いなことに、金田さんは“あること”を思い出した。
◆運転手は“危険運転の常習者”だった
「数百メートル先に“交番”があることに気づきました。冷静を装いながら、速度を緩めて相手との距離を少しずつとったんです。そして、交番の前に着いた瞬間、ウインカーを出して敷地内に入りました」
すると、「おい、バカが……」とでも言いたげに、相手も交番の前に止まった。
「交番から2人の警察官が出てきました。警察官を見た相手の表情は凍りついていました」
警察官はすぐに状況を察知。男性に職務質問をはじめた。そして、車のナンバーから、以前から通報が多かった“危険運転の常習者”ということが判明した。
「その場で身分確認が行われて、私は警察官に状況を説明しました。私に向かって威嚇していたはずの相手の顔が、すっかり青ざめていました」
警察官からは、「危ない目に遭いましたね。でもドラレコがあって助かりました」と声をかけられた金田さん。
「そのとき心からホッとしましたし、あおり運転が自業自得の末路を迎えたことに“スカッ”としました」
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

