
更年期世代が多い読者アンケートでお悩み1位の「肩こり」。改善するには、悪い姿勢などで硬くなった肩甲骨(けんこうこつ)まわりの筋肉をゆるめることが大切です。「肩甲骨はがし」やストレッチで頑固な肩こりを改善しましょう。
肩甲骨はがし&ストレッチで肩こりを改善しよう
「大人のおしゃれ手帖2025年10月号」読者アンケートによると、更年期症状のお悩み1位は「肩こり」でした。頑固な肩こりを改善するポイントは肩甲骨(けんこうこつ)にあります。
肩甲骨とは背中の上部にある逆三角形の平らな骨のこと。まずは肩こりと肩甲骨の深い関係を見てみましょう。
肩こりに影響する筋肉は肩甲骨とつながっている
頑固な肩こりによくある原因として以下のことが挙げられます。
● デスクワークやスマートフォンの使用などによる前かがみの姿勢
● 寒さなどで体を丸めて過ごす姿勢
● ストレス
● 同じ姿勢を長時間続けてあまり動かない
前かがみの姿勢が続くと首に負担がかかり、首から背中にかけての筋肉がこわばって硬くなります。また、ストレスが続くと血流が悪くなって筋肉が硬くなります。さらに、同じ姿勢を長時間続けるなど、あまり体を動かさない生活をしているとますます症状が進行してしまいます。
首から背中にかけては複数の筋肉があります。肩こりに影響する主な筋肉は「僧帽筋(そうぼうきん)」「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」「菱形筋(りょうけいきん)」で、これらはすべて肩甲骨につながっています。
マッサージでほぐすことができるのは背中の浅い部分に大きく広がる「僧帽筋」です。一方、肩甲骨を上に引き上げる「肩甲挙筋」と、肩甲骨を内に寄せる「菱形筋」は僧帽筋の内側にあり、マッサージではアプローチできません。
これらの筋肉が硬くなることで、本来は動くようにできている肩甲骨の動きが悪くなり、慢性的な肩こりになってしまうのです。
肩甲骨まわりをほぐすことが健康への近道
「肩甲骨はがし」とは、肩甲骨まわりの筋肉を柔軟にするストレッチのこと。硬くなった肩甲挙筋や菱形筋をほぐすことで肩甲骨の動きがスムーズになり、肩こりの解消につながります。
肩甲骨はがしなどのストレッチは、筋肉の緊張が強まることで起こる冷えや頭痛の予防にも役立ちます。
また、肩甲骨は姿勢を保つ役割があるので、ストレッチをすることで猫背や巻き肩の改善効果も期待できます。肩こりや姿勢が気になるときは肩甲骨まわりを意識してゆるめましょう。
肩甲骨はがしの注意点
肩甲骨はがしなどのストレッチをするときに注意が必要なのは、骨粗しょう症、五十肩、頚椎症、ヘルニアなど、骨や関節、神経系の病気がある人です。これらの疾患がある場合はあらかじめ医師に相談しましょう。また、疾患がない場合でも、首や肩に痛みがある場合は行わないようにしてください。
肩甲骨はがしのやり方
50代でも簡単にはじめられる肩甲骨はがしの基本的なやり方はこちらです。
1.ひじを90度に曲げた状態で腕を肩の高さまで上げて、顔の前で合わせる。
2.腕を上げたまま5秒かけて大きく後ろに引く。このとき、肩甲骨を真ん中に寄せるように意識する。
3.肩甲骨を寄せたまま腕をゆっくりおろす。
4.1~3を5回繰り返す。

