父がついていた「嘘」と、目の前の「真実」
父は個人事業主の期間が長く、そのあいだの国民年金保険料には未納期間がありました。蓋を開けてみれば、年金額は約70万円、月額にしてわずか5万8,000円です。小さな自宅は持ち家でローンもないため、修繕等を気にしなければなんとか暮らせます。しかし、昨今の物価高の影響と、身体の衰えから買い物もままならず、冷蔵庫のあるものも尽きてしまったようです。
「年金で十分暮らしている」という父の言葉は、息子に心配させたくない親心からの嘘でした。
高齢期のおひとりさまが増えていますが、孤独死しないためにも、元気なうちから万一のリスクに備えておく必要があります。内閣府の令和6年版高齢社会白書(全体版)でも、65歳以上の人がいる世帯は全世帯の約半数、65歳以上の人の一人暮らしは全体の3割を超え、増加傾向となっています。
その後、Aさんはすぐに介護認定を申請しました。「都会で暮らしたくない」という父の希望を尊重しつつ、施設の入居を含めて検討し、これからは父とコミュニケーションを密にすることを心がけています。
〈参照〉
警察庁:警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者(令和6年)
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/shitai/hitorigurashi/R6nennreikaisoubetu.pdf
内閣府:令和6年版高齢社会白書(全体版)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_1_3.html
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
共同代表
