5.(例文)整体師/セラピストのパターン別・志望動機
志望動機といっても、求職者のステータスや応募先によって、伝えるべき内容は異なります。志望動機にどのようなことを書けばいいか、以下の「パターン別・志望動機」を参考にしてみてください。
5-1.新卒・未経験者の志望動機サンプル
“格闘技を続けてきたため、骨格や筋肉の仕組みを学ぶことが好きで、揉みほぐしなどで癒しを与える療業にも強い興味を持つようになりました。多くのプロ格闘選手をサポートしている御院ならば、私の格闘技経験や知識を活かすこともできると考え志望いたしました。”
新卒・未経験者の場合は、その人自身の人間性や考え方が重視されます。「人柄がわかるエピソード」や「なぜ整体師/セラピストとして働きたいのか」というポイントを伝えましょう。
5-2.経験者の志望動機サンプル
“現在は収容人数4人程度の小さな整体院で働いていますが、治療家としてさらなるステップアップをするため、業界でもトップクラスの技術力と知名度を持つ貴社への転職を志望しました。小さな接骨院で働いていたため、一人ひとりの症状に合わせた丁寧な施術と接客には自信があります。何卒よろしくお願いいたします。”
整体師/セラピストとしての実務経験がある方が転職する場合は「活かせるスキルや以前の役職」「現在の職場やほかの職場ではできないこと」を志望動機としてアピールしましょう。
5-3.異業種から整体師/セラピストへ転職するときの志望動機サンプル
“これまでアパレル業界で3年間働いてきました。接客を通して「O脚」や「骨盤の歪み」など、骨格由来の悩みを持つ女性が多いことを知り、健康や美容に対してより根本的にアプローチできるセラピストの仕事に興味を持ちました。女性支持率が業界でもトップクラスの御院であれば、アパレル業界での接客経験も活かしながら多くの女性のサポートができると考え志望に至りました。”
異業種からキャリアチェンジする場合は「なぜ今から整体師/セラピストとして働きたいのか」という具体的な理由に加えて、「これまでの経験から活かせるスキル」を書くことが大切です。
6.整体師/セラピストの面接対策
整体師/セラピストとして就職・転職する際の最終審査となる採用面接。面接の場ではあなたの行動や話し方、立ち居振る舞いなどから、履歴書ではわからない「人柄や考え方」も見られます。ここでは、面接時の服装や身だしなみ、面接前日の準備、面接当日の流れと注意点、よくある質問と受け答えをご紹介します。
6-1.面接前日の準備
■当日の持ち物・服装・身だしなみをチェック!
当日に慌てることのないように、面接前日までに以下を準備しておきましょう。
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<持ち物>・履歴書や職務経歴書などの書類は、クリアファイルに挟んで封筒に入れる。郵送・メールなどで提出している場合でも、念のため書類のコピーを用意する
・持ち物の指定がない場合でも、筆記用具やノートなどは最低限持っていくようにする
<身だしなみ>・当日着る服が綺麗な状態か確認する
・靴に汚れが付いていないか確認。時間に余裕があれば磨いておく
・男女ともに爪は短く切る。女性はマニキュアを綺麗に落としておく
新卒採用の場合はスーツ着用が一般的ですが、中途採用の場合は着ていく服装に迷うかもしれません。インタビューに答えてくれた整体師の男性は、スーツで面接に臨んだようです。「動きやすい服装」などの指定がない限り、中途採用でもスーツを着ていくのがよいでしょう。
整体師(40歳)の例
“ー面接当日の流れを簡単に教えてください。
まず会場(接骨院)の最寄駅には30分前には着くように家を出ました。
ただ、その日はスーツを着ていったんですが、電車に乗ってからスニーカーで家を出てきたことに気づきまして……。
急いで家に引き返して、革靴に履き替えました(笑)。”
【整体師インタビュー】40歳男性の履歴書・志望動機・面接対策より抜粋
▼面接時の服装・身だしなみについては、こちらの記事で詳しく解説!
【スーツ・私服別】医療介護福祉職の面接にふさわしい服装・髪型・メイク・身だしなみまとめ
■面接会場までの行き方・天候を確認しよう
電車やバスなどの公共交通機関を使う人は、自宅から面接会場までの交通手段を確認しておきましょう。
初めて行く場所で不安な場合は、どのくらいの時間がかかるか事前に下見をしたり、面接場所付近に早めに着けるように出発時間を決めたりしておくと安心です。
早く着きすぎた場合は、カフェなどで受け答え内容の最終チェックや身だしなみのチェック、お手洗いなどを済ませ、時間を調整してから訪問しましょう。
また、大雨や雪などの悪天候下では、高い確率で交通機関の運行が乱れます。当日の天気を確認して、出発時間を早める必要があるかどうかの検討も忘れずに。
■面接のシミュレーションをしておくと安心
持ち物や行き方の確認に加えて、当日役に立つのが「面接のシミュレーション」です。「志望動機」や「整体師/セラピストとして働く上で大切にしていること」など、予想される質問に対する回答を用意しておきましょう。
また、回答が頭の中で整理できていても、いざ面接官を前にすると頭が真っ白になってしまってパニック……なんてこともよくあります。
そんなときのために、予想される質問と回答をメモ帳やノートに書き出したり、書き出した内容を声に出して読んでみたりしておくと、落ち着いて面接に臨むことができるでしょう。
6-2.面接当日の注意点
■当日の遅刻は悪印象。遅れる場合は速やかに連絡を
「当日の遅刻」に対する面接官からの印象は良くありません。余裕を持って到着できるように出発しましょう。
万が一、やむを得ない事情で遅れてしまう場合は、速やかに担当者にお詫びの電話をして「現在の状況」「到着見込み時間」を伝えましょう。
■訪問するのは5分前を目安に
面接場所に到着したら、受付やスタッフの方に声をかけ、面接で訪れた旨を伝えます。面接時間ギリギリに駆け込むのはもちろんNGですが、早すぎる訪問も避けたいところ。
多忙な接骨院や事業所では、面接担当者も直前まで業務にあたっていることがほとんどです。待たせたり急かしたりすることがないよう、開始時刻の5分前を目安に訪問すると良いでしょう。
■スマートフォンはマナーモードに
面接中はスマートフォンの電源を切っておくかマナーモードにして、着信音や通知音が鳴らないようにしましょう。バイブレーションの音が鳴ってしまうことも、あまり良い印象を与えません。
6-3.面接時のマナー
■話し方や仕草、表情にも気をつけよう
整体師/セラピストは患者さんなどの多くの人とコミュニケーションを取る職種のため、話し方や姿勢などの見た目の印象は非常に大切。面接中は相手の顔をしっかりと見て、元気よく話しましょう。姿勢が悪かったり、目線が合わなかったりすると、仕事中もそのような接し方をするのではないかと思われます。
普段は気にしていなくても、他人から見ると気になる点が1つや2つは出てしまうもの。面接に慣れていない人は、模擬面接などで第三者にフィードバックをもらうことも有効な対策です。
■入退室時のチェックポイント
面接会場への入室時には軽くノックをして、応答が聞こえたら「失礼します」と断ってから入りましょう。部屋に入室したら、軽くお辞儀をして「◯◯◯◯(氏名)です。本日はよろしくお願いいたします」と元気よく挨拶をしましょう。着席は面接官に「おかけください」と勧められてから。先に自分から座ってしまうのはNGです。
面接が終わったら「本日はありがとうございました」とお礼をしてから席を立ち、ドアの前で「失礼します」とお辞儀をしてから静かに退室しましょう。
6-4.筆記試験・適性検査の有無
整体師/セラピストの採用試験では、面接の前後で筆記試験や小論文試験、適性検査がある場合があります。
筆記試験の場合は、国語や計算などの一般常識問題レベルから、企業などの就職試験でおこなわれるSPIなどがあります。心配な方は、市販の対策テキストを1冊やっておくと良いでしょう。
小論文試験では、特定のテーマに関する自分の考えを述べる作文が出題されます。試験会場で制限時間内に作成する場合と、自宅などで作成し提出する方法の2パターンがあります。
適性検査では、複数の質問に回答することで、その人の性格や仕事に対する姿勢などを判断します。採用に有利に働かせようとして実際の考えと異なる回答を選ぶと矛盾が生じてしまいます。適性検査では、あまり深く考えすぎずに素直に回答していきましょう。
以前インタビューに答えてくれた整体師の男性は、応募後に心理テストが課されたそうです。
整体師(40歳)の例
“ー当日は面接以外に何か試験はありましたか?
いや、面接だけでした。
ただ事前に心理テストがありましたね。
ー心理テストですか。
はい、ネットの転職サイトから応募したんですが、「まずはこちらの心理テストにお答えください」ってメールが来まして。
変わった会社だなぁと。
ーどんな心理テストでしたか?
「類人猿分類診断」っていう、性格タイプ診断みたいなものです。例えば「あなたは感情を表に出すタイプですか?」みたいな質問に答えていくんです。
その結果によって「チンパンジータイプです」とか「ゴリラタイプです」とか。”
【整体師インタビュー】40歳男性の履歴書・志望動機・面接対策より抜粋
6-5.よく聞かれる質問例と回答例
面接対策として、整体師/セラピストがよく聞かれる質問と回答例を紹介します。これらの例文をもとに「自分ならどう答えるか」を考えてみましょう。
質問例「志望理由を教えてください」整体師/セラピストの面接に限らず、どの職種でも必ず聞かれるのが「志望動機」です。事前の下調べや可能であれば職場見学をさせてもらうなど、応募先のどこが良くて志望するのか明確に伝えられると良いでしょう。
回答例
“前職は老人ホームで介護職員として働いていましたが、御院でボディケアを受けた際に、これまでの体の不調が嘘のように改善しとても感動しました。その後も数回通うなかで、患者さんに対する丁寧な態度や心遣いに強く心を打たれ、私もみなさんのように感動を与えられるセラピストになりたいと思い志望しました。介護とボディケアでは「一人ひとりに合ったケアを考える」という点で共通しているため、異業種ではありますが前職の経験を活かすことができると考えています。”
質問例「整体師/セラピストを目指したきっかけは?」
その職種を目指したきっかけを聞くことにより、「求職者の人となり」が伝わります。できるだけ具体的な体験を伝えることが大切です。
回答例
“学生の頃から自分の身体のケアが好きで、整体院にもよく通っていました。リラクゼーションの癒し効果を体験していくうちに、「自分も誰かに癒しを与えたい」と考えるようになったことがきっかけです”
質問例「長所・短所は何ですか?」
この質問では「自分を客観的に見られるか」「短所をどのようにカバーしようとしているか」といったポイントが見られます。ただの自慢話に終わったり、欠点を述べるだけになったりしないように気をつけましょう。
回答例“私の長所は「ひとつのことを継続・努力し続けられること」です。小学生から高校生まで野球を続け、スランプやケガにも挫けずコツコツと努力を続けてきました。短所は「頑固なところ」です。こだわりが強い性格のため、自分が納得するまでに時間がかかってしまったり、理由を求めてしまうところがあります。複数人で働く以上は他のスタッフと意見がすれ違うこともありますが、そういったときにはお互いの主張を理解するために、たくさん話すことを大切にしています。”
質問例「転職/退職理由は何ですか?」
中途採用の人が必ずと言っていいほど聞かれる質問です。「職場の人間関係が悪かった」「残業が多く、給料が少なかった」などの愚痴になってしまうと「大変なことがあったら辞めてしまうのでは」という印象を与えるため、前向きな理由を伝えましょう。
回答例“待遇や人間関係に不満はなかったのですが、小規模かつ完全予約制システムの関係で1日に診られる患者様の人数に限りがありました。より多くの患者様や症例を経験し、さらなるスキルアップを目指すべく転職を決めました。”
質問例「何か質問はありますか?」
いわゆる「逆質問」に対して「とくにありません」と回答するのは避けたほうが良いでしょう。途中までの受け答えがうまくいっていたとしても「第一志望ではないのかもしれない」「働きたい職場なのに何ひとつ質問は浮かばないのだろうか」と思われてしまう場合もあります。そのため、逆質問を通してその応募先に対する意欲や自己PRをすることが大切です。
回答例“入職後も勉強を続けるためにセミナーなどへの参加を考えています。院内や近隣施設で開催している勉強会はありますか?”
“御院にご縁をいただけた場合、配属先はどのように決定しますか?”
これらの質問・回答例は、あくまで代表的なものにすぎません。整体師/セラピストの面接ではほかにも「ほかの職場も受けていますか?」「前の職場で学んだことは?」「今関心がある医療ニュースはありますか?」など、さまざまな質問が想定されます。当日慌てることがないように準備しておきましょう。

