カンノンチクの植え替え・株分け

用土
水はけのよい清潔な用土が適します。観葉植物用の培養土は手軽に使用することができます。自分で配合する場合は、桐生砂7:赤玉土小粒3などの用土が適します。
真夏に乾燥が激しいと感じた場合は、表面にミズゴケなどを敷き詰めるとよいでしょう。
植え替え
地下茎が発達する性質なので、植え替えを怠ると土の隙間がないくらいひどく根詰まりします。根詰まりすると葉先が枯れこんだり、生育が衰えて葉も少なくなります。2年に1回以上は植え替えてください。
なお、乾燥を嫌うので、植え替えの作業は日陰で行ってください。また作業中は根を乾燥させないよう注意してください。
植え替え後2週間くらいは、乾燥しないように毎日水やりします。また葉水も与えて湿度を保つとよいでしょう。
大きな鉢に植え替える場合
根を切らないので、5~9月の長期間作業を行えます。根鉢を水につけ、古い土を落としてください。1~2回り大きな鉢に新しい用土で植え付けます。
同じサイズの鉢に植え替える場合、株分け
2つに株分けして同じサイズかやや小さい鉢に植え替えます。根を切るので、作業は5月中旬~7月に行います。植え替えと同時に、葉全体の1~2割くらいの古い葉を根元から切るとよいでしょう。
カンノンチクの栽培ポイント

水はけのよい用土で植え、強い直射日光を避けた適度に明るい場所で水切れさせないように管理するのがポイントです。江戸時代から栽培されてきた植物なので、栽培は難しくありません。和風のイメージがある観葉植物ですが、エスニックや洋風などのインテリアと合わせても新鮮な印象です。
これまで、カンノンチクはあまり注目されることが少なく、愛好家も減ってきてはいますが、海外では人気がある植物のひとつです。古くて新しい観葉植物「カンノンチク」を、さまざまな飾り方で育ててみてください。
Credit 文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 -
おがわ・やすひろ/1988年、東京農業大学農学部農学科卒業。千葉県館山市の植物園「南房パラダイス」にて観葉植物、熱帯花木、熱帯果樹、多肉植物、ランなど温室植物全般と花壇や戸外植物の育成管理のほか、園全体のマネジメントなどの業務に18年携わる。現在フリーランスとして活動。著書に『わかりやすい観葉植物』(大泉書店)、『ハイビスカス』(NHK出版)がある。