◆スキー場で立ちションする人も…
売り上げはアップしたものの、外国人観光客の対応に四苦八苦している須藤さん。こういったトラブルは、旅館だけでなく近隣のスキー場でも日常茶飯事に起きていると教えてくれた。「近くのスキー場はスノーボーダーに人気が高いのですが、海外のお客さまはコース外のバックカントリーが目的の場合も多くて。各地でバックカントリーをして怪我や死亡するケースが増えていますが、付近のスキー場でもトラブルが起きています。遭難だけでなく、いきなり禁止区域からコースに戻って来るスノーボーダーもいて、普通に楽しんでいるお客様に迷惑をかけています。また、リフトから途中で降りたり、平気で立ちションする人なんかも……。日本人客からかなりの数の苦情が出ていて、対応に困っていると聞きます」
◆海外のお客さんは1割程度でいい
こういったトラブルは、各地で起きているのだろうと須藤さんは説明してくれた。「他県で旅館を運営する知り合いの経営者に聞いても、同じような悩みを抱えている。でも、どうやって対処したらいいのか、誰もわからない状況です。お客さんが来てくれるだけでありがたいのですが、このまま外国人のお客さんが増え続けたらどうなるのか不安です。旅館をこれまで支えてくださったのは日本人のお客さんですし、贅沢を言えば海外のお客さんは1割程度でいいのが本音。当館でも前述の張り紙や、旅行代理店に事前に説明してもらうなど、対策は練っていますが、どこまでマナーが向上するのかは未知数です」
日本を訪れるすべての外国人がマナー違反をするわけではないだろうが、このままだと受け入れる旅館やホテルの従業員は、どんどん疲弊していくことになりそうだ。
<TEXT/高橋マナブ>
【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

