◆無駄な芸人魂が出てしまった
「もともと日頃からチョコプラの動画を見たりしているような層、ファンにとっては、ここで笑いを足しても足さなくても反応は変わらなかったと思います。怒っている人や炎上に乗っかりたい人たちを抑えるためのものなのに、その人たちを挑発するようなものになってしまった。
無駄な芸人魂が出てしまった部分は感じます。クラスの人気者がチヤホヤされているのにイラッとしちゃうような、そんな感覚もあったのかもしれませんね(笑)」
芸人の発言が炎上し、そこに次のアクションでさらに炎上をまねいたことといえば、ナインティナイン・岡村隆史の「嫌なら見るな」発言を思い出す。
これによってさらなる大炎上を招き、一時期好感度が下がってしまったことも記憶している。現時点では今回のチョコプラ失言は、そこまでの大炎上までには至らないかもしれないが、似たような悪い流れを感じる。
「ギリギリのラインを攻めるつもりだったところが攻めすぎちゃったかなといったところです」
最初に松尾が「素人」と吠えた段階で、コンビの相方である長田が「“素人”は駄目でしょ」「“一般の方”ね」など、一言「素人」サイドからのわかりやすいコンセンサスを挟むだけで、笑うところですよという記号になったかもしれない。
◆「素人」という言葉を自分たちでどう処理していくか
そもそも謝罪に笑いを足すことは不要なのではないか。「これはモノによるでしょうね。内容、空気感、そしてその本人そのもののキャラや世間での評価などそれぞれとしか言いようがありませんが。たとえば狩野英孝さんなど、本人は至って真面目に謝っているのに結果的に面白くなるとこともあります。
謝罪の場で笑いをとって反撃してやろう、そういった“ねらい”が見えると反発を招くことは多いと思います。
チョコプラは多くの一般層には、『TT兄弟』などソフトでポップなキャラクターだというイメージが強いかもしれませんが、本来はものすごくクリエイター気質、職人タイプだと思うんです。
そのコアな部分を出せる自分たちの動画という場所が広く注目されてしまった。ライトなファンにとっては、チョコプラをかわいい犬だと思ってたら、本当は獰猛だったわけです(笑)」
この先、さらなる「謝罪(コント?)動画」など、同じプラットフォーム上では評価を覆すことは難しいかもしれない。彼らの芸人としての矜持を保ったまま、「一般層(not素人)」に届けるにはどういう手が考えられるだろうか。
「これ以上、新たに謝罪するなどはないかもしれません。それよりも、自分たちで『素人』という言葉をどう処理していくかというところにかかってくると思います」
いじってくれる先輩芸人の力を貸してもらう手もある。
「たとえばさんまさん、有吉さんといった方に、チョコプラが何か言ったときに『素人は黙ってろ!』みたいに言ってもらえれば、そこはうまく返せるでしょうし、今度こそ笑いに変えることができるのではないでしょうか」
以上、「素人」による現状考察&まとめでした。
<取材・文/太田サトル>
【太田サトル】
ライター・編集・インタビュアー・アイドルウォッチャー(男女とも)。ウェブや雑誌などでエンタメ系記事やインタビューなどを主に執筆。

