◆実は空飛ぶそば職人でもある

グライダーはエンジンがなく、上昇気流だけで飛び続ける飛行機だ。あらゆる航空機の中でもっともパイロットの腕が試される。目に見えない上昇気流を知識と勘でみつけ、滑走路という決められた場所に帰ってこなければならないという、聞いただけで難しい乗りものなのだ。
「空に上がったら自分の腕しか信じられるものがない」
と澤田さん。タイでも小型飛行機の操縦はしていたものの、グライダーがしたくて2024年からオーストラリアのフライトクラブに飛びこんで参加。タイにはグライダーがないので、昔のままの空への情熱を持ってオーストラリアに足を運んでいるのだ。
そんな趣味がそば粉とつながる。しかも、これも自分で生産者をみつけだし、飛びこみで相談を持ちかけ、最終的にオーストラリア国内の販売価格とほぼ同じ値段でタイに出してもらう約束まで取りつけた。
◆すでにバンコクでは人気店に卸している

このそばはすでにバンコクの有名店などに卸されている。大阪発のバンコクでは知らぬ人のいない居酒屋チェーンはもちろん、地鶏で有名なヤキトリ店、タイ版『料理の鉄人』元審査員の料理店屋、東京発の居酒屋チェーン店、そのほか複数の日本料理店などだ。居酒屋では締めメニューのひとつになっていて、その店のこれまでの名物だった締めの料理をもしのぐ人気だ。

