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30代後半・子育て中に始まった母の介護——10年間の在宅介護で私が心のお守りにしたもの

30代後半・子育て中に始まった母の介護——10年間の在宅介護で私が心のお守りにしたもの

30代で母の介護が始まり、子育てと在宅介護の両立に18年間も向き合ってきた、50代の読書好き主婦・まいこさんの体験レポート。在宅介護で感じた不安や限界、そして介護施設選びのコツを紹介します。後悔しない介護のためのヒントが見えてきます。

30代、子育て真っ最中。こうして介護が始まった

「最後にはホームがある。だから、もう少しだけがんばろう」

そんな言葉を自分に言い聞かせながら、私は18年間、母の介護をしました。

父を亡くし、そりの合わない母の介護が必要になったのは、私が30代前半。下の子どもはまだ入園前。子育ての手助けが欲しい時期なのに、親まで看ることになるなんて。

「なんでうちはこんなに早く介護が始まるの……?」

投げ出したい気持ちと、母への責任の板挟み。子育てと介護の両立は想像以上に忙しく、常に余裕のない日々でした。

更年期以降、不眠に悩まされていた母。一人っ子の私へ依存する気持ちも強く、病院の付き添い、薬の管理、見守り——通い介護は自然と始まり、片道1時間半の移動は体力的にも精神的にも、正直とても負担でした。

子育ては、成長とともに手が離れる未来が見えます。

でも、介護は先が見えない。

いつまで続くんだろう。自分の生活を守りたい。そんな気持ちが強く、できるところまでがんばって、限界が来たらホームにお願いしよう。そんな思いを持ちながら在宅介護をスタートしました。

初めの頃は、生活のサポートで済んでいたものの、やがて 「今日はゴミの日?」「お風呂の使い方がわからなくて」 と5分おきに電話がかかってくることも。ある日ご近所から「お母さんが鍵を失くして家に入れなくなったのでお預かりしています」と連絡を受けたとき、目の前が真っ暗になりました。

「これから、私は本当にやっていけるのだろうか」

不安で胸がいっぱいになり、介護の相談窓口、地域包括支援センターの扉を叩いたのはそんなときでした。

30代、子育て真っ最中。こうして介護が始まった
昼間でも雨戸を閉めた寝室でふさぎこむようになった母

ケアマネさんが決まり、在宅介護が始まる

相談の結果、母は“要支援”として介護サービスを利用できることがわかりました。

週2回、介護ヘルパーさんが食事やお掃除、見守りをしてくれることに。一人で母を支えようともがいていた私には、ヘルパーさんの存在は救われる思いでした。

同時に「今の段階から介護サービスって使っていいんだ……」と安堵の気持ちが。

専門家から見てもサポートが必要と判断されたことで、いよいよ本格的な介護が始まったという事実が胸に重くのしかかりました。

介護ヘルパーさんに助けてもらいながら、しばらくは在宅介護は順調に進みました。合鍵で家に入り、母の様子を見てもらえることに安心感がありましたが、それでも24時間お願いできる訳ではありません。

隙をついて詐欺電話や訪問販売など一人暮らしの老人を襲うリスクは頻繁に。防犯機能付きの電話機やインターフォンの交換など、娘の私でしかできないこともたくさんありました。

そして、心のどこかで「いつかはホームにお願いしたい」と思うようになり、合間をぬって介護施設の見学を始めました。

ケアマネさんが決まり、在宅介護が始まる
ヘルパーさんが母に残してくれたメモ
配信元: HALMEK up

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