10か所以上を巡って学んだ「介護施設」の選び方
介護施設選びで初めに悩んだのは立地でした。
母が住み慣れた実家の近くにするか、それとも私が通いやすい自宅近くにするか――。メリット・デメリットを考えつつ両方のエリアで10か所以上の施設を見学しました。
大きく分けると、施設には
- 特別養護老人ホーム(公的施設):費用が安い/要介護3以上/待機が多い
- 有料老人ホーム(民間施設):費用は高め/サービスが幅広い/入りやすい
という特徴があります。
私は「いざというときに頼れる心のお守りを確保したい」と思い、有料老人ホームを中心に見学しました。
また、予算は 「親の年金と貯蓄の範囲で収まること」 を条件にしました。介護施設の入居費用は貯金の半分までを目安に。なぜなら体調の変化や何らかの理由で施設を替える可能性もあるからです。
見学を重ねると、それぞれの施設に個性があることに気付きます。食事に力を入れている施設、レクリエーションが充実している施設……。
そんな中、私が特に留意したポイントは、
- 入居者の介護度
- 平均年齢
- 居室内トイレの有無
- 日当たり
- 周辺環境(騒音・買い物のしやすさ)
の5点です。
とある施設長さんの説明では介護施設の平均入居年数は8年。オープンと同時に入居募集のある施設では建物の築年数と介護度が同じように増えていくというお話も聞きました。母の今の介護度に合う施設はどこだろう?
いいなと思った施設にはこの時点で仮予約をお願いしました。いざというときにお願いできる場所がある、これが当時の私の心の支えになりました。
在宅介護中に整えておいてよかった“お金と心の準備”
介護施設の見学をしつつ、在宅介護の時期にやっておいてよかったのはお金の管理です。
いざというときのために、通帳・印鑑・保険証書・家の権利証はどうなっているのか、年金や貯蓄額の把握もしておかねば――。
思い切って母と話し合い、年金の額や入っている保険についても教えてもらいました。そして詐欺に備え、貴重品は私が預かり、私の自宅で保管することにしました。
このタイミングで整えてよかったのは、「銀行の代理人登録」という手続きです。 母が歩けるうちに、一緒に銀行を訪れて登録を済ませたことで、介護施設の入居金など大きなお金の移動も問題なくできました。

