* * *
今、全国各地では外国人観光客による“マナー違反”が問題となっている。日本と海外では常識が異なる。外国人観光客にとっては、そもそもマナー違反だという認識がない行動も多い。
しかし、そんな外国人観光客のマナー違反と直面した際に、日本人の“気質”として何もできなかったりするだろう……。
◆公園にゴミを放置するカップル

「平日のお昼頃、観光客の多い公園に外国人カップルがテイクアウトで昼ごはんを食べていました。食べ終わると、彼らはそのままどこかへ歩いて行ってしまい、ベンチにはゴミとスマホが残されていたんです」
高橋さんが見守るなか、ほどなくして年配の清掃員が巡回してきた。彼はベンチに近づくと、無言のまま置き去りにされたゴミを丁寧に片付け、スマホも回収した。
「清掃員さんは、何も言わずに目の前の状況を受け入れるような感じでした」
約10分後、スマホを忘れたことに気づいたカップルが慌てた様子で戻ってきた。高橋さんは英語で声をかけたという。
「あなたたち、スマホを忘れたでしょ? あそこにいるスタッフがゴミを片付けてくれて、スマホも預かっているよ」
◆外国人観光客のマナー違反を指摘できない日本人
高橋さんは、さりげなくゴミのことにも触れた。しかし……。カップルは「なんて親切なんだ、ありがとう」と言って清掃員に駆け寄り、スマホを受け取った。おじぎをして感謝の意を表したが、清掃員はゴミについては何も言わなかったという。
「ゴミを置き去りする外国人観光客と、それを指摘せず静かに処理する日本人。その対比になんとも言えない感情を覚えました。そもそもゴミのポイ捨てがマナー違反という意識すらないのかもしれません」
多くの日本人は、他人のマナー違反を目にしても直接注意せず、沈黙を選ぶ傾向がある。そこには、“モヤモヤ”だけが残されるのだ。

