
お金を「稼ぐ」ことの難しさは、誰もが知っています。しかし、それ以上に難しいのが、お金を正しく「使う」ことです。市川雄一郎氏の著書『普通のひとでも富裕層になれる シンプルな投資の学び』(日経BP)より、多くの富裕層が実践している「無駄遣いをしない思考法」と、それを子どもに伝えるための具体的な教育メソッドを紹介します。
「お金の使い方」は“稼ぐこと”と同じくらい重要
高校生になると、アルバイトを始める子どもが増えてきます。そこではじめて、お金を稼ぐことの大変さや、日々働く親の苦労を実感することができるでしょう。
“稼ぐこと”と同じくらい大事な感覚が「使い方」にほかなりません。必要なものや欲しいもの、あるいは今は買う必要がないものなどを正しく整理し、収入と支出のバランスを上手に保つ術です。
そうはいっても、多少派手に使っても生活に支障をきたさないほどの潤沢な資金があれば、残高を気にせず欲しいものを欲しいだけ購入してもよいのではないか、と思うかもしれません。しかし、富裕層の多くは「無駄遣いをしない」という特徴を持っているのです。
もちろん、ただ単にケチなわけではありません。「必要なものには十分にお金をかける」。それが彼らの特徴です。では、正しいお金の使い方の感覚を養うにはどうすればよいのか?
「欲しいものリスト」の習慣が無駄遣いを防ぐ
おすすめは買いものに行く前に「欲しいものリスト」をつくる習慣をつけること。たとえばスーパーへ行く前に、あらかじめ買うものを書き記したメモを用意する人がいると思います。なぜそうするのか? 理由は単純に「何を購入すべきか忘れてしまわないため」だと思いますが、それだけではなく、「不要な(余計な)買いものをしないための予防策」として習慣にしている人もいるはずです。
あまり軽々しくいえることではありませんが、“無駄遣い”は楽しいものだと思います。しかし1度や2度ならまだしも、それが習慣化していたとしたら、結構な額を浪費しているはずです。
お金を大事にするということは、無駄なく使う意識を持ち、節制できているということ。富裕層が無駄遣いをしないのは、お金の価値を知っているからというだけでなく、浪費をしないからこそ潤沢な資金を維持できているということなのです。
「無駄遣いしない」思考は経営にも役立つ
ボールペン1本でも見積もり…経費削減を徹底した堀江貴文さん
無駄遣いをしない感覚を持つべきなのは個人だけでなく、企業もまた然りです。
たとえば、かつてライブドアを率いた堀江貴文さんは経営者時代、経費削減を徹底していたといいます。ボールペン1本でも必ず見積りをとり、少しでも安く購入するスタイルを徹底し「経費は1円でも削減すべきだ」という信念を持っていたといわれています。経費を削減すればその分会社にお金が残り、新たな投資はもちろん、社員の給与に充当することができると考えたのです。
その思考を一般家庭に当てはめてみるとどうでしょうか。たとえば、1か月間コンビニを利用しない生活をしてみる。個人差はあるものの、多くの人がある程度節約に成功できるのではないかと思います。さらにその生活を続けていくと、次第に「コンビニに行かなくても困らない」と思えるようになり、結果として浪費を防ぐことができるでしょう。
