ウォーレン・バフェット氏が笑顔を浮かべた「25セント」の価値
「今日の100円は明日の100円より価値がある」という格言があります。これは、100円を1日でも早く手にすれば、それを運用して利息を生むことができるという意味です。小さな金額でもお金の価値を理解し、大切に扱うことが長期的な資産形成につながります。
たとえば“投資の神様”といわれるウォーレン・バフェット氏は、子どもの頃道端で25セントを拾った際、あまりに嬉しくて笑顔を浮かべたそうです。では、もしあなたが道端に落ちている10円玉を見つけたら、嬉しいと思えるでしょうか?
「なんだ10円か」と、がっかりする人のほうが大半で、バフェット氏のように心から嬉しいと思う人は少ないでしょう。
お金の価値を幼い頃から理解し大切に扱うこうした姿勢こそが、バフェット氏を現在の地位に導いたといっても過言ではありません(ここでは拾ったお金を懐に入れる行為の問題については脇に置いておくことをお許しください)。
宝くじ高額当選者の失敗から学ぶ「金銭管理」の重要性
宝くじの高額当選者から学べることについて考えてみましょう。アメリカでは、高額当選者の約7割が当選後数年以内に破綻するといわれます。
これは、大金を得たことで金銭感覚が狂い、無計画に使いすぎた結果です。一度生活レベルを上げると元に戻すのは難しく、資金が底をつくと借金をしてでも現状を維持しようとするのが典型的なパターンといえます。
一方、富裕層はどうでしょうか。彼らは投資で大きな利益を得たとしても、生活レベルを変えることはありません。無駄遣いを避け、質素で堅実な生活を続ける姿勢が特徴です。たまに贅沢をすることはあっても、それは計画的なもので、日常的な浪費にはつながりません。このような習慣こそが富を維持する秘訣といえるでしょう。
重要なのは、正しい金銭管理の意識を持つことです。無駄遣いを減らし、得たお金を賢く運用することで、持続可能な財産形成が可能になります。
富裕層への第一歩は、生活スタイルを見直し、健全なお金の使い方を習得することにあります。高額当選者の失敗から学び堅実な道を歩むことが、真の豊かさにつながるのです。
市川 雄一郎
GFS(グローバルファイナンシャルスクール)校長/投資教育家/CFP®
