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「サンフランシスコ条約は無効」中国外交官の暴走ツイートに高市首相の沈黙が勝つ理由/倉山満

「サンフランシスコ条約は無効」中国外交官の暴走ツイートに高市首相の沈黙が勝つ理由/倉山満

◆中国の“キレ芸”が始まった

 ところが1週間くらいが目途かと思っていたら、中国の“キレ芸”が始まった。

 13日、日本の中国大使を夜中に呼びつけ、厳重抗議。日本側の抗議への抗議のよう。この段階では、日本側も中国の駐日大使を夜中に呼びつけて抗議くらいやってもよかったが、高市内閣は放置。まあ、次善手か。

 18日、北京で定期会合が行われた。そもそも「普通にやるなよ」と言いたいが、ここで中国の局長がポケットに手を突っ込んでいる映像が拡散。どこか、先方のイラ立ちが伝わってくる。

 19日、中国は水産物輸入停止に踏み切った。ここで実害が出た。より正確に言えば、福島第一原発からの処理水排水を受けて「安全性が問題だ」と停止していたのを、一時は停止解除。それを再び停止した格好だ。

 北京中央の方は、やめることを考えながらも強く出ている感があるが、日本にいる外交官たちは何を考えているのか。

◆問題児の薛剣総領事、国へ帰って大丈夫か

 問題児の薛剣総領事は、問題発言以降、沈黙。忠誠を見せつける為に、ことさら日本に対して居丈高な態度を取ってきたのだろうが、習近平は全体の戦略を乱す非論理的な行動をする者を嫌う。この人、国へ帰って大丈夫なのか。そんなに日本が好きなら、いっそ帰化させてあげた方が人の道か、とすら思える。

中華人民共和国駐日本国大使館
画像/中華人民共和国駐日本国大使館公式HP
 しかし、今度は大阪総領事館の上部組織の駐日大使館が錯乱を始めた。あげく敵国条項を持ち出し「中国は国連の許可なしに日本を軍事攻撃できる国際法上の権利を持つ」とまで言い出した。頭は大丈夫か?

「国際連合憲章」には「敵国条項」が設けられており、ドイツ・イタリア・日本などのファシズム/軍国主義国家が再び侵略政策に向けたいかなる行動を取った場合でも、中・仏・ソ・英・米など国連創設国は、安全保障理事会の許可を要することなく、直接軍事行動を取る権利を有すると規定している。 https://t.co/guSQoNYKOs

— 中華人民共和国駐日本国大使館 (@ChnEmbassy_jp) November 21, 2025


 日本ではUnited Nationを国際連合と訳すが、中国語では「連合国」だ。つまり第二次世界大戦の連合国が、そのまま旧国際連盟の役割を引き継いだので、中国語の方が正しい。日本は「国連加盟で国際社会に復帰」と喜んだが、実態は「敗戦国だけど、連合国の仲間に入れてもらった」なのだ。国連(連合国)憲章で日本は「敵国」とされ、この条文は敵国条項と言われている。

 ただ、あれからもう80年も経つ。国連憲章の改正は至難なので、1995年に敵国条項の死文化の決議をした。それに中華人民共和国も賛成の票を投じている。天に唾するとは、このこと。


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