◆中国大使館Xの執筆者、国際法を知らんのか
しかし、まだまだ錯乱は留まるところを知らない。30日日曜日、大使館のツイッターが、高市批判の投稿を9本。ヒマすぎる。
そして極めつきが2日、「サンフランシスコ条約は無効」と言い出した。
高市早苗首相が引用したいわゆる「サンフランシスコ平和条約」とは、1950年代、一部の西側諸国が冷戦戦略上の考慮から、中ソなど第二次世界大戦の主要戦勝国を排除した状況下で、日本と単独講和を行い、発表した文書となる。この文書は、1942年に中国・米国・英国・ソ連など26ヶ国が署名した「連合国共… https://t.co/XfKQNlw66y
— 中華人民共和国駐日本国大使館 (@ChnEmbassy_jp) December 2, 2025
中国大使館Xの執筆者、国際法を知らんのか。
国際法は、慣習国際法と条約国際法から成る。
慣習国際法とは、国際社会で積み重ねられ、すべての国が承認し合っている慣習のことである。たとえば、「戦争であっても虐殺をしてはいけない」のように。この内容、今ではジュネーブ条約に規定されているが、確認の為である。どこかの国が「自分はジュネーブ条約に加盟していないから、虐殺をやっても良い」などと言い出したら、文明国扱いされない。それが慣習国際法だ。
一方、条約国際法は、批准した当事国のみを拘束する。
◆いっそ、薛剣氏はれいわ新選組から選挙に出ては如何
日本は連合国の多数とサンフランシスコ平和条約を結び、中華人民共和国とは日中平和条約を結んだ。いずれも第二次世界大戦の平和条約であるが、重なる所もあれば、重ならないところもある。中国大使館の立場で発信するなら、「我々はサンフランシスコ条約と中日平和条約の重ならない部分には拘束されない」と言えば良いだけだ。
国際法の基礎も知らないのか?
もはや、日本は何もしなくて良い。ただ、高市首相は発言を撤回しないだけで、中国の出先が今後もネタを提供してくれるだろうから。
いっそ、薛剣氏は日本に帰化して、れいわ新選組から選挙に出ては如何? どれくらい得票できるか知らないが、中国で出世するよりは、可能性があるだろう。
なんで勝っても、勝ちは勝ち。
―[言論ストロングスタイル]―
【倉山 満】
憲政史研究家 1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『噓だらけの日本中世史』(扶桑社新書)が発売後即重版に

