ブランド力の構築がカギに
海外進出に向けて、大きな課題となるのが、ブランドとしての認知度だ。
海外ではユニクロは世界的なブランドとして認知されており、価格面だけでなくブランド価値の面でも消費者から評価されている。
一方、しまむらは海外ではあまり認知されていない分、低価格を武器に勝負する必要があるが、特にアジアの国々には現地の安売り店舗が数多く存在する。しまむらがどこまで日本でのような「価格面でのアドバンテージ」を発揮できるのか注目だ。
そして、しまむらが低価格を実現するとともに、どこまでブランドとしての独自性やステータスを訴求できるかが、海外展開成功のカギを握ることになりそうだ。
3カ年計画で海外事業強化へ
こうした課題がある中でも、しまむらは27年2月期までの3カ年中期経営計画で海外事業の強化を掲げている。今回のタイ進出は、その第一歩といえるだろう。
タイの新店舗はポップアップストア(期間限定店)という形態で、まずは市場の反応を確かめる狙いがあるとみられる。手応えがあれば常設店の展開につなげていく可能性もありそうだ。
国内市場が成熟化する中、海外展開は避けて通れない道だ。しまむらが「世界のしまむら」、あるいは「第二のユニクロ」になれるのか。その挑戦の行方が注目される。