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海外移転で“逃げ得”を許すのか──滞納税と第2次納税義務の限界が突きつける制度の盲点【国際税理士が解説】

海外移転で“逃げ得”を許すのか──滞納税と第2次納税義務の限界が突きつける制度の盲点【国際税理士が解説】

第2次納税義務が及ぶのは「国内財産」のみ

たとえ受贈者が国内財産を受け取ったとしても、それを海外口座へ送金した瞬間、財産は国外へ転化されます。

この瞬間に、

・日本の国税当局は第2次納税義務を適用できない

・徴収共助の対象にもならない

という二重の壁が立ちはだかります。

制度上の想定外を突いたこの手口は、2020年代後半に入り増加傾向にあると指摘されています。

悪用される“夫婦名義スキーム”

特に近年目立つのは、

・滞納者が配偶者へ国内財産を贈与する

・その配偶者が財産を海外に移す
という極めてシンプルな手法です。

配偶者は税滞納者ではなく、形式上は通常の受贈者にすぎません。しかし財産を国外へ移してしまえば、第2次納税義務も徴収共助も及びません。

相続発生の直前、つまり死亡間近にこの行為が行われれば、相続税までも徴収不能になる恐れがあり、深刻な問題として国税内部でも注意喚起されています。

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