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海外移転で“逃げ得”を許すのか──滞納税と第2次納税義務の限界が突きつける制度の盲点【国際税理士が解説】

海外移転で“逃げ得”を許すのか──滞納税と第2次納税義務の限界が突きつける制度の盲点【国際税理士が解説】

背景にある「スピードと透明性のギャップ」

2025年時点で問題が深刻化している理由には次の2点があります。

① 資金移動が高速化しすぎた

フィンテック口座・暗号資産・海外デジタルバンクなど、数分〜数時間で国境を越える資産移転が可能になりました。

② 税制度のアップデートが追いつかない

税法は議論から施行まで数年を要し、国際送金の技術革新スピードと比べて圧倒的に遅いままです。

この“スピード差”こそが、悪意ある滞納者が制度の隙を突ける最大の原因になっています。

日本だけの問題ではないが、日本では特に深刻

欧米では第2次納税義務に相当する制度の適用範囲を広げたり、国外財産に対する徴収権拡大を進めたりしていますが、日本は議論が慎重で、制度改正も後れを取っています。

そのため、「海外に移せば助かる」という誤った期待が一部で広がりやすい環境
になっていることが問題です。

公平な納税という観点からも、経済合理性の観点からも、現行制度は見直しの必要があると言わざるを得ません。

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