◆市街地以外は排他的じゃなかった
ーーリサさんの住んでいる市町村は、どこも排他的な雰囲気なのでしょうか?リサさん:実は、そんなことはないんです。沿岸部と山間部、市街地の3つで構成されている市町村で、やばいのは私たちが住んでいた市街地だけです。
沿岸部は漁師が多く、他人に首を突っ込んでいる暇がないと思います。山間部は牧場が多く、家族総出で家業を支えるため、近所とも非常に仲が良く「みんなファミリー」という雰囲気がありました。
山間部出身の友だちが私の住んでいる地域に来たとき、カーテン越しに監視されているのに気づいてびっくりしていました。
◆よそ者に冷たい理由
ーーリサさんが住んでいた地域では、なぜ「よそ者いじめ」が起こるのでしょうか。リサさん:アイヌ差別のなごりも、あるんじゃないでしょうか。アイヌの方々が自治会に入れない問題もあったと聞きます。
同級生の親たちは、外国人やアイヌと関わるなってよく言ってましたね。私も、よその子から「リサちゃんは外国人だから一緒に遊ぶなって、親に言われた」と聞かされたことがあります。
ーー北海道の田舎に移住を考える人が、住んでも大丈夫な地域かどうかを見極める方法はありますか?
リサさん:正直なところ、ないですね…住んでみないとわからないことが多すぎますし。ちょっと奇抜な服装で歩いてみて、カーテン越しから監視されたらやばいかもしれませんね(笑)。
ここでは話せないような、もっと大変な被害もたくさん受けてきました。田舎への移住は慎重に考えたほうがいいですよ。
ーー癒やしや人の暖かさを求めて田舎へ移住したはずが、かえってストレスを受けることになりそうですね。どうしても移住を考える場合は「住んでみないとわからない」というリスクも含めて検討する必要がありますね。
<取材・文/キムまる子>
【キムまる子】
OLを辞めて韓国留学を経験。アラサーならではの恋愛やお悩みをシェアするライター。韓国文化と恋愛についての記事を中心に執筆中。趣味はひとり酒。Xアカウント:@kim_marco0707

