いつまでも輝く女性に ranune
ワンルームより“2LDK以上”が高収益?アクセス・立地・インバウンド動向から見る、「東京23区の民泊需要」の実態

ワンルームより“2LDK以上”が高収益?アクセス・立地・インバウンド動向から見る、「東京23区の民泊需要」の実態

首都圏で「民泊ビジネス」を展開する場合、利用者の約9割を占める「インバウンド旅行客」にとっての利便性を考慮する必要があります。その点では、アクセスの面を考えても東京23区が有利といえます。しかし、東京23区内でも民泊に向き不向きのエリアがあるので、事前の情報収集やマーケティングリサーチが重要です。本記事では、辻哲哉氏の著書『最強の副業 民泊 小金持ちへの道』(扶桑社)より、首都圏のなかでも大きな利益を見込める「東京23区」の民泊ビジネス有望エリアとその事例を紹介します。

首都圏で「民泊ビジネス」をおすすめするエリア

民泊ビジネスをする上では、立地環境が非常に大切です。日本のなかでも人口が集中する首都圏で、一番「アツい」のは東京23区です(2025年5月現在)。ただし、区によって大きな差があります。

  • インバウンドの導線に乗っているか(ゲスト目線で考える)
  • 行政の民泊への対応状況(規制が多いか)

まず押さえておかなければならないのは、上記の視点になります。最初のインバウンド導線とは、端的に言えば、宿泊していただくゲストの方が、「どこに泊まって、どちらに観光したいのか」ということをキチンと把握することです。

民泊のゲストでも、リゾート地では日本のお客さんも多いのですが、首都圏はほとんど(9割)がインバウンドになります。そのため、外国人が観光したい場所へのアクセスが重要となります。

その観点で、東京23区でもNGなエリアがあります。具体的には、

  • 足立区
  • 練馬区
  • 板橋区
  • 杉並区
  • 荒川区

などです。結構多いのに驚かれたかもしれません。なぜNGなのかというと、先に述べたようにインバウンド導線に乗っておらず、それらのエリアには泊まらないケースが多いためです。

施設をオープンしたとしても、インバウンドビジネスとしてうま味が少なく、儲かりません。山手線からは、浅草などメジャーな観光地がある東部エリア以外に遠く離れてしまうと、収益化が難しくなります。

二つ目の行政の対応という観点からみてNGな区は、次の通りです。

  • 千代田区
  • 中央区
  • 江東区
  • 荒川区

いずれも行政(特に保健所)が民泊に関して厳しい姿勢を取っており、住民からのクレームが多くあると、区条例で規制が強化されたりします。

それでは、OKな区はどこかと言えば、

  • 港区
  • 渋谷区
  • 新宿区

上記三つの区はドル箱です。渋谷区や新宿区は、行政が民泊に関して厳しいほうなのですが、それらを上回って民泊ビジネスとしての優位性が際立っています。さらに、浅草回りと山手線近くということで、

  • 墨田区
  • 豊島区
  • 文京区
  • 北区
  • 台東区

なども有望です。文京区も、アクセスが良いので根強い人気があります。

東京23区の民泊「有望エリア」はどこ?狙い目の物件の特徴

基本的にNGなエリアでも、民泊ビジネスの可能性がありそうなのは、商店街が面白いところです。例えば、先ほどNGとした板橋区でも

  • ハッピーロード大山商店街(板橋区)

はインバウンドに人気です。他にも

  • 戸越銀座商店街(品川区)
  • 武蔵小山商店街(品川区)
  • 赤羽一番街商店街(北区)
  • 青戸ワンダフル商店街(葛飾区)

など、商店街が面白いところはインバウンドの評価も高い傾向にあります。不動産投資としては魅力的でなくとも、ゲストハウスビジネスとしてはOKなところもあるので、きめ細かく見ていく必要があります。

さて、港区・渋谷区・新宿区のエリアでの収益構造ですが、8割稼働で家賃の3倍近く、うまくすると4倍近い利益が取れます。

ただ、この「黄金の3区」はオーナーサイド(家主)も強気で、本来15万円くらいの家賃しかとれないところを40万円から50万円くらいで貸し出しますよ、と言われることもあります。

民泊ビジネスは50%の純利益が目標です。例えば、家賃40万円で借りた場合、2倍・80万円以上の売上が理想と言えます。そうなると、少なくとも90万円から100万円程度の売上がないといけません。なかなかのハードルの高さです。

それゆえ、筆者は事業主さんへ、家賃15万円から30万円あたりの物件を借りてください、とアドバイスしています。ただ、東京23区の場合、ワンルームはホテルと競合するのでNG。四人家族を二組、合計8人を2Lもしくは3Lで泊まってもらうのがおすすめです。

理想は、1L40m2で6人収容(もしくは30m2で4人収容)が民泊ビジネスのうまみが出てくる分岐点となります。

まとめると、私が考える東京23区の民泊物件の有望エリアとしては、

  • 北限=赤羽・王子
  • 南限=大井町
  • 西限=吉祥寺
  • 東限=小岩

となります。筆者が考える有望エリア以外では、民泊をオープンしたとしても儲からないので、賃貸で営業なさったほうが良いでしょう、と不動産オーナーさんにアドバイスしております。

では、筆者たちが手掛けている東京23区の物件に関して、その収益性を見ていきましょう。

提供元

あなたにおすすめ