
花の魅力を届ける人・吉原友美さんが伝えたい“花”は、植物を通じて、今の自分の心と向き合う「今日花(こんにちばな)」というあり方。
花を選び、飾ることは、自分と向き合い、今の気持ちを感じ取る行為。季節を通して今日の自分にまっすぐに向き合う手段としての花が「今日花(こんにちばな)」なのだそう。
そんな吉原さんの日常と花のある暮らしを、吉原さんの言葉でお届けします。
12月はリースのレッスン、ワークショップを通じて多くの方と出会い、一年を振り返る機会をもらう月。
私が好きなリースは、グリーンがメインで、小さな花や実がそっと添えられているシンプルなもの。クリスマスシーズンが終わっても、飾り続けられます。
12月も、もう後半。
年の瀬を目前に、『大人のおしゃれ手帖』の読者のみなさまも気忙しい日々をすごされているのではないでしょうか。
私も、11月から12月なかばにかけては、クリスマスリースやお正月飾りのワークショップの機会やギフトのご注文が重なり、ありがたいことに目が回る慌ただしさ。過ぎていく毎日に追いつくのに必死で、「今年もいつのまにかあと数日になってる!」と、驚愕するのが年末の恒例となっています。
12月は、ワークショップを通じて人と会う機会に恵まれる月でもあります。
自然と会話の中心になるのは、「どんな一年だったか」という話題。PAUSEのレッスンに参加してくださる方は、ご家庭やお仕事に必要とされる立場の方ばかりで、ご自分のことが二の次になってしまう方が多いよう。
クリスマスリースやお正月飾りを一緒に作りながら、こんなお話をよくします。「自分の気持ちに素直になって、自分のためだけに花を飾ってみませんか」。
私自身は、仕事納めの日に、自分のために花を用意します。新しい年を迎えるための華やかな植物も素敵ですが、12月をやっとの思いで走り抜けた私がそのとき欲している“今日花“は、心が静まるような、やさしい色合いの花。「休んでいいよ」といってくれる、自分の屋号である「PAUSE」に込めた意味をあらためて思い出させてくれるような、新たに動き出すための、小さな休符のようなそっと寄り添ってくれる花なのです。
自分自身に贈る、やさしい気持ちになれる花
一年がんばった自分に、花を贈るなら?
私は、日常の中に自然と溶け込むような、やさしい色合いの花を選びます。
たとえば、白や淡い黄色のチューリップやラナンキュラス。
色だけでなく、蕾から咲ききったあとまで、表情、姿がどんどん変わっていく魅力的な花です。
そんな花同士が主張し合うのではなく、それぞれの個性が同じ空間にあることを心がけ、ラナンキュラスのやわらかな重なりやチューリップの首をかしげるような動きに、オキシペタルムの小さな白い花が静かに寄り添うように生けました。
撮影/吉原友美 編集・文/柳澤智子(柳に風)
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