◆ドッキリかと思った2度目の解散報告

山下:途中から僕も合いの手を入れたりする役としてコンビで出られるようになったのでありがたかったです。
ただ、1回ちょっと腹が立ったのは番組スタッフの扱い。あるネタ番組のオーディションで「ジャリズムさんは大御所すぎてちょっと……」って断られたのに、同期のTKOは出てるし、結局渡辺は世界のナベアツとしてピンで出てるし。そのときはなんやねん! と思いましたけど(笑)。
――ジャリズムが全国区でやっと日の目を浴びたかと思いきや、2011年に渡辺さんが落語家になるために2回目の解散をすることになります。
山下:ある日2人で話してるときに渡辺が「俺、落語家になるわ」って解散を切り出されたんですよ。長年一緒にいて落語が好きなんて一回も聞いたことがなかったし、それを聞いたときはドッキリやと思いました。
話が終わって、「いつカメラ入ってきてネタバラシしてくれるんかな?」って思いながらキョロキョロしながら部屋を出て、結局家に帰ってもネタバラシがなくて(笑)。それで、本気なんやなとやっと気づきました。
――引き止めはしなかったんですか?
山下:渡辺が決めたことなんで、あいつの人生を邪魔したくないなと思って。それに、文枝師匠(六代桂文枝)に弟子入りするために構成作家の仕事とかも辞めるって聞いて、そこまでの覚悟があると聞いたら止められないですよ。
◆1000万借金してうどん屋をオープン

山下:またしてもピン芸人になりましたが、やっぱり芸人の稼ぎだけでは食えなくて。それで何か仕事に繋がればいいなと思って、僕が香川出身というのもあって、うどんを食べ歩いてSNSに感想を書いていました。
そしたら何軒か巡っているうちに、新宿で衝撃的においしいうどんに出会ったんです。
それで店主の方に「めちゃくちゃ美味しいですね。僕もお店出したいと思ってるんですよ」って話したら快く「全部教えますよ」と言ってくださって。
――それが「山下本気うどん」に繋がるわけですね!
山下:はい!使っている機材も仕入れ先もレシピも全部無料で教えてくださって。しかもお店で修行までさせていただいて。半年ほどでなんとか近い味が再現できるようになり、「山下本気うどん」をオープンしました。
――開業資金はどうされたんですか?
山下:実は今田耕司さんと宮迫博之さんに500万円ずつ貸していただきました。一刻も早く返したいと思っていたので、「人件費を削れば早く返せる!」と思って最初の2年間は店舗で働きまくりました。

