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「老いるとは、今を楽しむ特権を得ること」若者には不可能な老後の“幸せな生き方”とは

「老いるとは、今を楽しむ特権を得ること」若者には不可能な老後の“幸せな生き方”とは

◆老後にする勉強がいちばん楽しい

勉強する高齢男性
「明日も楽しければいいな」くらいのことは考えるにしても、あんまり先のことは気にしないで、今、やりたいと思うことを自由にやる。

 そんなふうに過ごす毎日が楽しくないはずがありません。だから、老いた毎日だってなかなか捨てたもんじゃないですよ。

 私がいちばん多くの時間を割いている楽しみは、まあ言ってみれば「勉強」です。

 本とか雑誌はもちろんのこと、ネット記事やSNSなども、日々片っ端から読んでいて、そこで「これは面白いな」と気になったことは、もっと詳しく調べたりします。

 もっともSNSは、正しい情報とあり得ないくらい間違っている情報が入り交じっていますから、そこは注意が必要なのですが、そんなことをしているうちに、また別の面白そうなことに出合うので、こういう勉強には終わりがありません。

 最近面白かったのはメチル化(※)が老化と関係しているという文脈で、成長ホルモンと抗糖尿病薬を同時に投与すると胸腺が若返るという研究ですね。生物学的年齢が2.5年若返ったというデータにはびっくりしました。

※メチル化とは、DNAの特定部位に「メチル基」という小さな化学物質が付加される現象。通常は遺伝子にメチル化が生じると、遺伝子は機能しなくなる。

◆老いたからこそ知的好奇心の赴くままに勉強できる

 もちろん私の場合は、本とかメールマガジンを書くためのネタ探し的な意味合いもありますが、それがないとしても、勉強はやめないと思います。知らなかったことを知って、自分の世界が広がっていくのは、本当に楽しいですからね。

 勉強というのは本来そういうものなのですが、若いうちはなかなかそんな余裕が持てません。

 テストでいい点数を取るためだとか、受験のためだとか、いい就職をするため、昇進するため、あるいは誰かと話を合わせるためなど、とにかく何かしらの目的のためにしなければならないものになりがちです。

 そのせいで面倒くさくて嫌なものだという印象しか残っていない人も多く、そういう人は「今さら勉強なんて」と考えることでしょう。

 でも、年を取ってからの勉強は、それをどう生かすかなんてことは考えず、純粋に知りたいことを好きに学べばいいだけです。だからこそ楽しいのです。目的なく学ぶことほど楽しいことはありません。

 知識を増やすことや、興味のあることについて詳しくなっていくこと自体を純粋に楽しめるのが、年を取ってからする勉強の最大の利点なんですよ。

配信元: 日刊SPA!

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