現在進行形だから「予期せぬ出会い」がある
横尾忠則のアートブック、「ブラウン」の置き時計、水道管修理の広告デザインを模したような「ライムライト」のステッカー(ステッカーマニアの小澤さんイチ押し)などなど……。

見飽きないラインアップに後ろ髪をひかれつつ、店内のカウンターに移動。店内には、SNSで大バズり中の「ミルクティ サービス」が併設する。茶葉の香りに包まれるようなビームススペシャルブレンドのアイスミルクティを味わいながら、あらためて高輪ゲートウェイシティというエリアについて聞いてみた。
「ビームスといったら、やっぱり原宿や渋谷といったイメージが強いですもんね」と切り出した小澤さんは、こう続ける。

「もともと私は新宿にあるビームス ジャパンの店頭に立っていたのですが、それらの街と高輪の空気感は異なります。お客様の層も、身に着けている服も、いわゆる“若者の街”でよく見かけるそれとは少し違う。私にとってはこの場所自体がすごく新鮮で面白いんです」。

山手線にできた新しい駅に直結する、新たなランドマークと街。混沌としつつも成熟した東京カルチャーにあって、「現在進行形でカルチャーが創られ始めている場所の当事者となれることは本当に幸運」だとも語る。

東京は“自分”をつくる場所
また、小澤さんにとって、東京とは「自分を形成してくれた場所」だという。それは、生まれ育った場所という直接的な意味合いだけではない。有名無名を問わない表現者と触れ合う機会を創り、熱狂や精神的成長を促してくれたカルチャースポットとしての東京へのリスペクトを多分に含んでいる。
人や物事との出会いが“自分”をつくる。その意味において、一見わい雑な東京という街の多様性も、多くの出会いが待ち受ける可能性と捉えられるかもしれない。

最後に、小澤さんはこう呟いた。
「お店も街も、私たちスタッフの意識だって“発展中”の段階なのだと思います。そのライブ感も含めて、今ここにしかない何かを楽しみに、そして出会いを探しに来てほしいですね」。

ふと窓の外を見ると、すぐそばの真新しい駅舎に目が止まる。気持ち良さそうに吸い込まれ、吐き出されていく車両の動きが、「ビームス カルチャート 高輪」を訪れる人の流れとリンクする。
時計の針が正午を指す頃、自分の心の中でも、新しい何かが動き出す音がした。
ビームス カルチャート 高輪
住所:東京都港区高輪2-21-1 ニュウマン高輪 North 4F
電話:03-6721-6421
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
https://www.beams.co.jp/shop/bct/
