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【ぶんぐるめ】文具メーカーが作った日本酒、そのお味は?

【ぶんぐるめ】文具メーカーが作った日本酒、そのお味は?



文具のとびら編集部

ついこの間まで、「いつまで暑い日が続くんだろう」とうんざりしながら過ごしていたと思ったら、いつの間にかコートを着込んで出歩くような気候になっていた。しかも、あと10日あまりで今年1年が終わってしまうのだから、月日の経つのは実に早いものだとつくづく思うが、日本酒を飲むのにちょうど良い時期になったのは確かだろう。

何故酒の話が出てきたかというと、先日珍しい日本酒を入手したので、ここでご紹介したいと思ったからである。「文具のとびら」で日本酒とは場違いな、といぶかる向きもあるかと思うが、実はその日本酒、文具メーカーのセキセイが作ったのだ。

文具メーカーが作った酒は果たしてどんな味か、みなさんにお伝えしたいと思う。

その名は「雅風」

日本酒の名前は「雅風」。輪島塗創作師としても活動するセキセイ西川雅夫会長のペンネーム・東山雅風から名付けられているのだが、この日本酒も雅風氏によって作られたようだ。葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をデザインしたラベルの純米酒と、同じく北斎の「赤富士」をデザインしたラベルの純米吟醸酒の2種類で、それぞれ300mlと720mlの2種類のボトルを用意している。ちなみに筆者の手元にあるのは300mlボトルの方で、2種類の酒がセットになっている。1本あたり2合ぐらいの量なので、2種類の酒を飲み比べをするのにちょうど良さそうだ。

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この日本酒に使われている米は「ひだほまれ」。どんな米か調べてみたら、その名の通り岐阜県で生まれた日本酒造りに適した酒米なのだという。その酒米を使って、「毎晩楽しめるおいしさ、飲むたびに感じるひだほまれの奥深さを併せ持つ」純米酒と、「気品のある素直な味わい」の純米吟醸酒をそれぞれ目指して作ったのだという。これは飲むのが楽しみだ。

米の旨味が感じられる日本酒

ただ日本酒を飲むだけだと味気ないので、お酒のお供をいくつか用意した。いわしを使ってつみれ汁や梅肉はさみ揚げ、骨せんべいを作ったほか、とうふに味噌を塗って、その上にチーズをのせてトースターであぶったチーズ田楽、スーパーで買ってきたお買い得な刺身も並べてみた。

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食卓を賑やかに彩ったところで、まずは純米酒の方から飲んでみた。一口飲むと、まず米の甘味が口中に広がり、遅れて舌をちょっと刺激するような適度な辛味も感じた。「毎晩楽しめるおいしさ」を目指したというが、確かに飽きずに飲み続けられるような飲みやすさがこの酒にはある。ただし、飲み過ぎには要注意。

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続いて、純米吟醸酒を飲んでみた。こちらは甘口で、辛味は感じられなかったが、日本酒にありがちなベタベタとした重い甘さではなく、すっきりとした、それこそ“気品”が感じられる味わい深さがある。

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普段、日本酒を飲んでいてそこまで米を意識することはないのだが、どちらも米の旨味が感じられ、“米を飲んでいる”という気持ちにさせてくれる。酒は、一度腹に収まってしまえば、後は酔っ払うという結果は一緒なので、何を飲んでも同じなのかもしれないが、酔っ払うまでの一時を豊かな気持ちで過ごさせてくれる日本酒だ。グラスに入った黄金色の液体を眺めながら、心地よい酔いが体の中を巡っていく至福の時間を楽しんだ。

「文具メーカーが作った日本酒」と言うと、色物めいた酒だと思いがちだが、その味わいは本格的で、本当に真摯に作られた酒なんだというのが感じられた。これから年末年始で日本酒を飲む人も多いと思うので、その酒のリストにこれを加えてみてはいかがだろう。

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配信元: 文具のとびら

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