そもそも「コミコン」とは?

「コミコン」という言葉は、コミック・コンベンション(Comic Convention)の略で、元々はアメリカで始まった漫画を中心とした同人・ポップカルチャーの祭典だ。その後、アニメやゲーム、映画作品、映画スターやクリエイターの登場によって、世界的なカルチャーイベントへと進化していった。

世界各国で開催されるようになった近年のコミコンでは、マーベルやスター・ウォーズの公式ポップアップストア(ブース)が出展、約1,700点以上の限定グッズなどが用意されている。また、ディズニー/ワーナー関連のブースも登場していて、映画ファン向けコンテンツが充実している。

これらはいずれもウォルト・ディズニー(マーベル・スター・ウォーズ)やワーナー・ブラザース(ハリー・ポッター)など大手スタジオの協力によるものだが、イベント自体は特定の配給会社が主導するものではなく、多様な企業やクリエイター、ファン文化が共存する場として成り立っている。
「東京コミコン」は2016年に始まり、毎年12月に千葉・幕張メッセで開催される日本最大級のポップカルチャーイベントとして人気を誇る。映画の小道具展示や限定グッズ、海外スターの来日といった要素が魅力で、今年も多くの人々が詰めかけた。
映画ファンにも刺さる“映画的体験”が満載

会場内には、映画関連の展示や先行販売ブースが設置される。今年の東京コミコンでは、往年の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が公開40周年を迎えることから、専門ブースやショップが登場。デロリアンに乗れるフォトスポットや、出演俳優も勢揃いしてファンを喜ばせてくれた。

公開から四半世紀以上経つ作品が、展示やグッズを通じて新たな魅力を放っており、観たことがないという若い世代も目を輝かせていたのが印象的だった。

映画で実際に使われたプロップ(小道具)やレアな展示も多数あり、普段は画面越しにしか見られない映画世界が“現実空間”として体験できるのも大きな魅力。これらは単にグッズを見るだけでなく、映画の制作背景や作品世界への理解を深めるアクセスポイントにもなっている。コミコンは、映画好きにとって、単なる“同人イベント”に留まらないイベントなのだ。
