◆山道で迫る“猛獣”のような車
山道を1人で運転していた高橋洋子さん(仮名・30代)。片側一車線のくねくね道で、交通量は少なく、静かなドライブになるはずだったという。しかし、ふとバックミラーをのぞくと背筋がゾクッとした。後方の車が、異常なほど車間を詰めてきたのだ。
「数メートルもない距離でヘッドライトを点滅させ、ときどきクラクションまで鳴らしてくるんです。“早く行け”と怒鳴られているみたいでした」
山道での追い越しは危険だが、それでもその車は、まるで“獲物を狙う猛獣”のようだった。高橋さんは、恐怖と怒りが同時に込み上げてきたそうだ。
「でも、私の車にはドラレコがある、証拠は残せる」と、自分自身に言い聞かせた。
◆冷静な判断が導いた免許停止
やがて、道沿いにコンビニの看板が見えた。「ここだ!と思ってウィンカーを出して、駐車場に入りました」
高橋さんがエンジンを切ると、後続車は勢いよく通り過ぎていった。静けさが戻ったところですぐに“110番通報”。
「状況を説明して、ドラレコの映像も提供できると伝えました」
そして数日後、警察署から着信があり、
「車のナンバーから身元を特定しました。映像からも悪質性が高いと判断し、免許停止処分としました」と告げられた。
それを聞いた瞬間、高橋さんは心の中で“ガッツポーズ”をしたという。
「恐怖は簡単には消えませんが、証拠を残し冷静に動いたことで、きちんと制裁が下されました。それが、なによりの救いでした」
この日以降、高橋さんは友人や家族に“ドラレコの重要性”を力説している。
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

