◆今期の新加入で“当たり”の選手は?

•アーセナル→マルティン・スビメンディ(スペイン代表)
りょー:堅守を誇るアーセナルにとって、スペイン代表のスビメンディの獲得に成功したことは素晴らしい補強でした。ボランチやアンカーなど、中盤の底を主要ポジションにしており、彼がチームのバランサーなんですよ。
そして、守備だけでなく攻撃面でも真価を発揮しています。特にパスの配給面は強みです。スペイン代表でも主軸ですから、W杯でも彼のプレイを楽しめることでしょう。彼が他のチームに移籍していたらと思うと……。恐ろしいですね(笑)。
•マンチェスター・シティ→ジャンルイジ・ドンナルンマ(イタリア代表)
伊藤:僕は今シーズン移籍してきたイタリア代表のゴールキーパー、ドンナルンマを挙げたいです。実は、当初はこの移籍には懐疑的でした。
というのも、シティの下部組織出身であるジェームズ・トラッフォードに、これからのシティのゴールマウスを守ってほしいと思っていたからなんです。しかしシーズンが始まると、少し不安定なパフォーマンスが続いてしまいまして……。
そんな中、パリ・サンジェルマンでCLを制した世界最高クラスのGKドンナルンマを獲得できることになったんです。手のひらを返すようで悪いですが、彼がゴールマウスを守っているだけで、安心感が違いますね(笑)。今考えると、彼の移籍は“マスト”であり“サプライズ”な移籍でした。
•マンチェスター・ユナイテッド→ブライアン・エンベウモ(カメルーン代表)
ヨップ:今のユナイテッドにとって、エンベウモを獲得できたことは素晴らしかったですね。攻撃的なポジションを担っている選手で、現状、チーム内で最も得点を決めている選手なんです。
彼がいると、攻撃のクオリティが明らかに一段階上がります。得点力はもちろん、走力や馬力は非常に魅力的です。さらに守備も懸命にこなしてくれるので、今シーズンに移籍してきた選手ですが、今ではもう欠かせない選手です。今後さらに世界を代表する選手になっていくと確信しています。
◆今でも色あせない日本人選手の記憶
——まさしく、今季のチームを象徴する選手たちですね。そして近年の移籍市場全体を見ても、日本人選手を始めとするアジア圏の選手も人気です。それに伴い、日本におけるプレミアリーグの人気も高まっていますよね。長い期間プレミアリーグをご覧になられているプレチャンの皆さんも、それは感じていますか?りょー:そうですね。1番の転換期は、香川真司(現セレッソ大阪)がユナイテッドに移籍したことだと思います。
ヨップ:たしかに。前年度、欧州におけるベストイレブンに選ばれた香川を、ユナイテッドが主力待遇で獲得したんです。当時、最強時代とも言われていたチームに日本代表の10番が移籍したわけですから、大きな話題となりました。
伊藤:さらに岡崎慎司もレスターというチームで、奇跡のプレミアリーグ優勝に貢献しましたから、日本人にとってプレミアリーグが少しずつ身近なリーグになっていったと感じますね。

