
◆材料ありきで高騰した日本株
「2026年の日本経済は、そもそも日本の株価は上がりづらい展開だと思われます。高市政権からの期待で日経平均株価も史上最高値の5万円を超えて推移していますが、株価に対しての収益率であるPERを見ると20倍前後で推移しています。ここから上値を追う展開は難しい」そう話すのは業界歴30年超えのベテランFPである深野康彦氏。株式投資におけるPERはその株価が割安か割高かを判断する指標になる。一般的にはPERが10倍以下ならば割安、PERが10倍以上ならば割高である。現在の日経平均株価が20倍前後であるならば若干割高水準に入りつつあるというわけだ。
「PERはどれくらいが適切な水準なのかは一概に言えないとは思いますが……。AI株や半導体株などが上昇して現在の利益よりも割高に評価されているアメリカ株の水準にまで日本株が上がるとは考えにくい。日経平均株価が5万円を更に超えていくためには更に材料が必要で、その材料は2026年中に出てくるとは限らないのではと思ってます」
◆金利のある世界で投資したい金融商品は?
そこで候補に上がるのが債券への投資と深野氏は語る。「国債や社債など債券への投資は元本保証があるのが大きなメリット。リスクを抑えながら資産を増やすことが可能です。金利が高い局面で債券に投資することで、株式投資における株価の乱高下のリスクを追わずにお金を増やすことができるのです」
ぱっと債券を見回してみると2024年頃には5%台の利回りも付いていたアメリカ国債などが候補に上がるが……。
「現在のアメリカ国債はFBRの利下げの影響もあり、利回りは4%台に低下しています。今後もFRBは利下げ基調ですから、この利回りは下がる可能性があります。今から、米国債券に投資するとすれば黄信号。早めに行わないといけません」

