
◆コンセプトは“芹澤優総選挙”
今回は、声優、アイドル、ソロアーティストなど、さまざまな顔を持つ彼女が、それぞれ別の存在としてパフォーマンスを行い、ライブの最後に誰が一番人気なのかを決める“芹澤優総選挙”というコンセプト。「芹澤優ちゃんに清き一票を!!」と叫び、トップバッターを飾ったのは“ソロアイドル”の芹澤優。1曲目の「最悪な日でもあなたが好き。」では、「あなたが好き」という歌詞に合わせて、「おれもー!!」と答える客席のボルテージは、開幕早々で最高潮に。
5曲目を歌い終わったタイミングで袖に引っ込み、バンドの演奏で場を繋いだあとは白を基調とした衣装に着替え、“声優”の芹澤優が登場。歌ったのは「恋愛裁判、開廷です!」とシャウトして「TRIal HEART ~恋の違反チケット~」(劇場版『プリパラ み~んなでかがやけ!キラリン☆スターライブ!』劇中歌)だ。
アップテンポな楽曲で、跳ねるようなベースラインや小刻みなギターのカッティングが心地良く、間奏明けのサビ前で一拍止まるブレイクのタイミングも完璧。
◆踊りながら何気ない顔で歌いあげる高い歌唱力
続く「COMETIC SILHOUETTE」(TVアニメ「キラッとプリ☆チャン」挿入歌)は、4つ打ちのダンスミュージック。ベース、ドラムの安定したリズムとギターのカッティング、キーボードの演奏が噛み合い、自然に体が動いてしまうパフォーマンスは、「宇宙だってダンスホール」という歌詞にぴったり。さらに驚いたのは、間奏前の十数秒間の高音ロングトーンを、きれいなチェストボイスで歌いきったところ。ほかの曲でも、余裕で出る音程なのにあえて声量を抑えて裏声でささやくように歌い上げるシーンもあった。特に歌がうまいと喧伝されることもなく、踊りながら何気ない顔で歌いあげる高い歌唱力であることも見過ごせない。
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i☆Risやソロを含め、何年もほぼ同じメンバーで一緒に演奏を重ねてきたバンドとの息もピッタリ。そのハイレベルな生演奏は、ファンでなくとも一聴の価値アリといえる出来だった。
8曲目の終わりでまた舞台袖にはけて、お着替えタイム。ここでは幕間に事前録音したラジオ風の音源「セリラジ」を流し、過去を振り返ったり、やってみたい役などのトークを展開。このライブは配信ナシでDVD化されることもないとのことで、会場に足を運んだファンだけが聞けた幻の音源となる。

