【2回目の転職】仕事とプライベートのモヤモヤで揺れた末の決断
1回目の転職を経て、念願だった障害児領域での療育をスタートしたYさん。2回目の転職に踏み切るまでにはさまざまな「迷い」があったと言います。

──障害児領域へ挑戦できて、家からも近い職場で、1回目の転職で不満が解消されたように見えますが……2回目の転職を考え始めた理由は何だったんでしょう。
きっかけは夫の言葉だったんです。「前の仕事(保育園)のときのほうが楽しそうだったよ」って言われまして。

やりたかった障害児領域に転職できたから、本来だったら保育園で働いてたときよりいきいきしてるはずなんですけどね。通勤時間も短くなったはずなのに「なんでだろう」って考え始めて。
──原因はわかったんですか?
「今の状況が私にとって物足りないんだ」って気付いたんですよ。
転職して3年目に児発管になったんですけど、仕事内容が「ちゃんとした児発管業務」ではなくて。
職場が児童発達支援と放デイを兼ねる施設だったので、人員配置の関係で児発管が2人いたんですね。でも「児童発達支援の児発管」「放デイの児発管」って担当を分けるんじゃなくて、「2人で児童発達支援と放デイの児発管業務をする」って運用だったんです。
なので業務内容で担当を分けていて、私は支援計画書の作成を担当、もう1人の児発管は保護者面談を担当していました。自分を「児発管」として見たときに、保護者関係の経験が全然ない状態だったんですよね。
──そこに物足りなさを感じたんですね。
保護者面談をほとんどしていなかったのもあって、支援計画書を作るにも切り離された感じがあったんです。
保護者の意見を直接聞けるわけでもなく、私が見た現場の様子と、もう1人の児発管から聞いた保護者面談の様子から計画書を作っていたのでぼやぼやしていて。「これで果たして良いのだろうか?」ってモヤモヤしだしたんです。
もっと保護者や保育士と話をしたり、ほかの事業所や相談支援員さんと関わりを持ったりしながら「子どもたちにとってより良い療育」を作っていく。それを児発管としてちゃんとやりたいなって思ったんですよ。
──なるほど。でもその職場では5年ほど働かれていますね。
モヤモヤしつつ、なかなか転職に踏み切れずにいたんですよね。
職場の環境的に、児発管として足りない経験を補うのが難しかったので「転職を通してステップアップしたいな」って考え始めて。でも「妊娠のこともどうしようかな」とも考えていて。
長く勤めていれば有給がそこそこつくし、転職せずに今の職場にいたほうが、妊娠したときに休みをとりやすいのかなって迷いもありました。
──葛藤があったんですね。
いろいろ考えましたね。
夫は私が仕事に対してモヤモヤを抱えているのをわかっていたし、一方で私は妊娠のことも考えていて、すれ違い始めたり。

あとは1回目の転職では自宅近くの職場を選んだものの、すぐ帰れるので逆に残業しやすくなっちゃったんですよね。
家が近いので鍵閉め当番みたいなポジションになっていましたし、送迎を終えて日誌をやって、さて自分の仕事をってなると20時くらいになっちゃってて。
私が抱える業務をほかのスタッフにも分担していたんですが、人の入れ替わりが激しかったので分担した業務がまた私の元へ戻ってきて……なかなか思うようにいかなかったんですよ。
そこでワークライフバランスも崩れていて。妊娠したときのことを考えると、良くないよなあって。
そんな状況で転職の決め手になったのが「家の取り壊し」なんです。
──取り壊しですか!
中はリノベーションしてきれいだったんですけど、建物自体は老朽化していたらしくて。それで引っ越さなきゃいけなくなったので「あ、今だ」って思ったんですよね。
──それで転職に踏み切れたんですね。今までのお話を整理すると、2回目の転職理由は……。
「ちゃんとした児発管の仕事をしたい」「プライベートの時間も大切にしたい」ですね。
自分の経験値として足りない「保護者関係」を含めた児発管の仕事をしたかったのと、ゆくゆくの妊娠を考えてワークライフバランスを大切にしたかったんです。
──なるほど。退職理由は職場へどう伝えましたか?
「家の取り壊しに伴い、夫の勤務地に合わせて引っ越すため辞めたい」と伝えていました。退職意向を伝えた時期は2020年の9月頃だったかな。
住んでいた家を2020年12月末までに退去しなきゃいけなかったので、12月末から有給を消化して、その間で転職活動をしようと思っていたんですよ。
でも人員配置の関係上、後任の児発管を探す必要があったので「2021年の3月まで延ばしてもらえないか」って言われて。
結局「有給消化も含めて、2021年3月末で退職」に落ち着きました。
──後任を探す関係で退職が後ろ倒しになったんですね。実際に転職先を探す際に重視したポイントは?
児発管のなかでも管理者兼務じゃない仕事を探しました。いきなり管理者兼務は大変だろうし、自分の性格上、大変でも無理ができてしまうので。ワークライフバランスが崩れそうな環境は避けておきたかったんです。
まずは児発管として一人前になって、周りからも認められるようになってからなら兼務していいかなと。
あとは職場までの距離も重視しました。遠すぎても大変だし、近すぎても残業しがちになってしまうって学んだので、自宅から30~60分くらいの所で探してました。
──2回目の転職活動では、転職理由を面接でどう伝えていましたか?
引っ越しをメインに「転居を伴う転職」と伝えてました(笑)。
あとはワークライフバランスのことも伝えていました。「前職の経験からプライベートの時間も大切にしたいと思った」「だから管理者兼務でない児発管の仕事をしたい」と。
──その転職理由について、面接で深掘られた部分はありましたか?
書類上では「児発管経験3年」となっているので「管理者も兼務できそうだけどね」って深掘られました。
なのでその流れで「保護者関係の経験が少ないこと」を伝えていました。自分の「できること」と「やりたいこと」の両方を伝えていましたね。
──2回目の転職では、何箇所か選考を受けたんですか?
選考を通して5~6施設は見ようと思ってて、実際に6施設ほどエントリーしました。
──1回目の転職と違って、複数の施設を比べられたんですね。求人サイト等も活用しましたか?
ジョブメドレーを使いましたよ! あとは1箇所、知り合いのツテで面接を受けた所があります。結局そこに決めたんですよね。
──知り合いの方とはどんな繋がりで?
障害児領域で働いていたときに受けた、児発管研修の講師の方なんです。
実は2回目の転職に踏み切る前からお誘いをいただいていて。そのときはまだ転職の決意が固まってなかったので、のらりくらりかわしていたんですが、ずっとこまめに連絡をくれていたんですよ。

転職先の職場は、講師の方が立ち上げた会社が運営する放デイです。まだ起業したばかりで、これから児童発達支援なども始める計画です。
──数々の施設を見た中で、講師の方の施設へ決めた理由は何ですか?
一番はフォロー体制ですかね。
児発管として転職活動をするなかで「一人前じゃない自分が頑張れるのか?」っていう不安があったんですよね。
転職先のフォロー体制がしっかり機能しているかわからないし、もし新規事業所に入職した場合はスタッフの育成もしながら自分の勉強をしないといけないし……。そうなるとワークライフバランスが崩れちゃいそうだなって。
その点、講師の方の元であれば、児発管の仕事をちゃんと教えてもらえて安心だなって思いました。
講師の方も児発管なので「もしYさんが産休・育休で抜けることになっても私が代われるよ」って言ってくれていて。フォローし合いながら働けるなって思ったんです。
私がモヤモヤしていた「児発管としてやりたいこと」「子どものこと」両方を考えると、講師の方の所が一番だなって結論になりました。
──講師の方の元で働くことが、一番理想に近かったんですね。もし家の取り壊しがなかったら……。
転職に踏み切れずに、もう少し悩んでいたと思います。
なんか「体(てい)の良い理由」がなくなっちゃってたんですよね。「仕事面の希望」と「プライベート面の希望」どちらも叶えたいってなると、踏み切るきっかけが難しくて。
でも家の取り壊しが決まっていざ転職活動に踏み切ってみたら、いろんな職場を比較した結果、講師の方の元が理想に近いなって納得できました。
──振り返ると「もっと早く動いても良かった」と思ったり?
そう思います。2回目の転職では、やりたいことと妊娠とで悩んで、でも辞めるきっかけがないなってモヤモヤしてた時期が長くなっちゃってたので……!
──Yさんは保育士としての転職と児発管としての転職を経験されていますが、職種での違いはありましたか?
児発管としての転職活動をして実感したことなんですけど……。
児発管は人員配置の関係で事業所に1人必要なんですよね。となると、新規事業所オープンにしろ前任との入れ替わりにしろ、児発管を求めている採用側は急いで採用したいわけです。
一方で私は、複数の施設を比べたうえで決めようと思っていたので、そこのスピード感や温度感の差は、保育士としての転職と違いましたね。
「こっちはいろいろ見て悩みたい」「向こうは早く決めたい」の折り合いが難しかったです。たしかに採用側の気持ちもわかるんですけどね(笑)。
──Yさんご自身も、後任を探す関係で退職時期をずらしましたもんね。
あとは給与も違いましたね。
児発管の求人をみたときに、保育士で働いていたときと違いすぎて「わ~すごい!」ってびっくりしました。「入職時点で今より給料が5万円高いんだけど?!」とか(笑)。
やっぱり数字も仕事のモチベーションになるので、・の情報を知れたのは良い判断材料になりました。
転職を迷っている人へ ─大きなきっかけがなくても、外に目を向けてみることが大切─
──転職を通してモヤモヤを解消したYさんから、転職しようか迷っている人へアドバイスをお願いします。
転職する・しないは別として、とりあえず行動してみるといいと思います。
実際に仕事を探してみるといろんな職場があるし、自分を必要としてくれる場所がいっぱいあるので、モヤモヤしてるなら一度外に目を向けてみると良いのかなって。
それこそ私自身「大きなきっかけがなくても、もっと早くから行動して良かったじゃん」って思いましたから(笑)。

──自分を求めている場所がたくさんあると、自信にもつながりますもんね。
私も児発管として自信がなかったので転職を迷ったりしたんですけど、それでも選考に進んでみると「是非」って言ってくれる所がいっぱいありました。
今すぐに転職を考えていないとしても、そういう「自分を求めてくれる場所がある」ってことを知っておくことで、心の持ちようが変わると思いますね。
「自分はここにいなきゃいけない」って思ってるのと「ここがダメだったら次の場所があるし」って思ってるのとでは心の余裕が違うのかなって。
求人を見たり、選考を受けたりするなかで実感したんですが、働く場所によって仕事のやり方が違うんですよね。
転職活動は、自分がいる環境以外のスタイルを知れる・勉強できる良い機会だったなって思います。

