3.薬剤師の筆記試験・面接対策
──今回の転職では筆記試験もあったのですね。
はい。筆記試験と適性検査があって、そのあと面接という流れでした。
筆記試験はたぶん新卒と同じ内容なんですかね……? 実務的な内容というよりも国家試験に近かったです。前もって「国試のような内容が出る」と聞いていたので、YouTubeで解説動画を見て復習しました。

──面接はどんな感じでしたか? 時間や面接官の人数など。
時間は20分くらいで短かったです。面接官は病院長と薬剤部長、人事担当者の3人くらいだったかな?
面接官はこちらよりも少し高い位置の椅子に座っていて距離もあったので、気軽に話す面接という感じでもなく、ちょっと緊張しました。
──700床の病院でも院長が面接するんですね。どんな質問内容でしたか?
この歳なので「どうして転職しようと思ったんですか」とか「仕事は大変ですが大丈夫ですか」とか聞かれましたね。
短時間だったのであまりイレギュラーな質問はなく、わりとあっさり終わりました。
──面接時の服装と持ち物は?
グレーのスーツだったと思います。髪が長いので、後ろで結んでいました。
持ち物は本当に最低限で、携帯とお茶と筆記用具と……あとは試験対策の参考書も持っていった気がします。
──内定後、入職までに準備したことは?
健康診断を受けました。あと本来は入社前研修があるんですけど、その時期はコロナ禍だったので研修はなくなり、配布された資料を読むだけでした。
入職したらがんに関わる機会が増えると思ったので、YouTubeを見て勉強もしましたね。
4.職場選びで大きく変わる、薬剤師のキャリアステップ
──製薬会社、薬局、病院と3つの職場での経験を通して、どの職場から経験するといいといった順番はありますか?
MRを目指すなら新卒ですね。MRは中途の未経験では採ってもらえないと思うので。
病院と薬局なら、病院でひととおりのことを勉強してから調剤薬局に行ったほうが知見を活かせるんじゃないか、と実習生にはよく話します。カルテを確認できるので、検査値など臨床ならではのデータもわかりますし、どういった経緯でその薬が処方されたのかの背景を理解しやすいです。
一方で、最近では大手薬局チェーンが新卒に人気で、中途はなかなか採用されないなんて話も聞きます。薬局は給料面の条件がいいですからね。

──今後、薬剤師の働き方はどう変わっていくと思いますか?
将来的に薬剤師は供給過多になるともいわれているので、ただ調剤ができるだけでは選ばれなくなってきます。
昔はひたすら調剤……という側面が強かったのですが、いまではチーム医療の中で薬剤師の役割が大きくなり、職能を活かしやすい環境に変わってきたと感じます。患者さんのためにできることは何か考えて、日々勉強することが大切なのではないでしょうか。


