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「クリスマスの約束までしたのに…」デート後、彼が未読スルーのまま消えたワケ

「クリスマスの約束までしたのに…」デート後、彼が未読スルーのまま消えたワケ

今週のテーマは「数回デートをしていた男が、急に未読スルーになった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:2回デートして手も繋いだのに、LINEを未読スルーに。女のメッセージに返信しない男の心理とは



「返事しないとだよなぁ…」

昨日届いていた、朱莉(あかり)からのLINEを、僕は既読にせずにしばらく放置している。なぜなら既読をつけると返信をしないといけないし、逆にこちらも気になるからだ。

「どうしようかな」

僕は未読マークにしたまま、LINEの画面を閉じながら考える。

朱莉とは、先日食事会で出会って、「可愛いな」と思い2度デートをした。いい子だと思うし、別に彼女が何か悪いことをしたわけではない。

それなのに、どうして未読スルーにしているか?

それには、理由がある。


A1:お金がかかりそうだし、他に誰かいるのかなと思った。


朱莉と出会ったのは、僕の同期が開催した2対2の食事会だった。

― 可愛い子がいるな。

そう思い、最初から僕は朱莉に狙いを定めてすぐに行動に移した。

「朱莉(あかり)ちゃんって呼んでもいいですか?」
「もちろんです」
「朱莉ちゃん、すごく可愛いよね」

朱莉にだけ話しかけ、彼女を褒める。こうすると大体女性は喜んでくれる。

「そんなそんな」
「たぶんすごくモテると思うけど、朱莉ちゃんのLINEとか聞いてもいい?」

そしてすぐに連絡先を聞く。

「次は二人で会いたいな。デートに誘ってもいい?」

連絡先を聞いた後の、アフターフォローも忘れない。ちゃんと男の方からデートに誘い、実際に次のデートを実行する。この流れが大事だと思う。

結果、翌日朱莉をデートに誘うと、喜んで来てくれた。

1週間後、僕たちは六本木にある『YAKITORI燃(ヤキトリ モエ)』でデートをすることになった。



僕の会社が六本木にあるため、会社の近くに彼女を呼んだが、今日も朱莉は嬉しそうにしている。ただ、焼き鳥を食べながら朱莉と話しているうちに、少し怖くなってきた。

「六本木あたりでよかった?僕の会社が近いから、早く会えるかなと思って」
「うん。普段からこの辺りにしかいないから、嬉しい」

― 六本木界隈にしかいないってこと?もしかして…港区女子系?

思わず身構える。しかも、朱莉が住んでいる住所を聞いてさらに謎が深まってきた。

「そうなの?朱莉ちゃん、お家はどこ?」
「私は表参道だよ」
「表参道?すごい所に住んでるね」

表参道に、ひとり暮らしの女性が住む家はあるのだろうか。あまりそのイメージがないし、そもそもお金持ちの誰かと住んでいるのかもしれない。

「そうかな。雄大くんは?」
「僕は人形町のほう」
「あれ?会社は六本木だよね?」
「うん。朱莉ちゃんは自分で会社をやっているんだっけ?」
「一応ね。小さな会社だけど」
「すごいよね。僕みたいなしがないサラリーマンとは全然違う」

僕は所詮、日系のサラリーマンだ。表参道に住むのは難しそうだし、そんな余裕はない。

― そうか、朱莉は自分で会社を経営しているんだもんな…。僕で相手が務まるのか?

そんなことを考えながら、僕は薫香を纏った焼き鳥を頬張る。



そして、デートなので一応こちらで会計を済まし外へ出ると、朱莉が2軒目へ誘ってきた。

「雄大くん、まだ時間ある?よければもう1軒行かない?私の行きつけのバーがあって」

― どうしようかな…。そもそも、行きつけのバーとかあるタイプなんだ…。

さっきの会話からして、朱莉の世界のスタンダードは港区界隈に住み、高級なバーでグラスを傾けることなのだろう。

そうなると、彼女の行きつけのバーがどのレベルなのか大体想像がつく。そこへ行くと、一体いくら請求されるのかも不安だし、そもそも行きつけのバーを持って港区に住んでいる女性はちょっと怖い。

さらに正直に言うと、僕の年収レベルでこのデートが続くのは少しきつい。数回ならばいいけれど、毎回となると一度のデートで結構な額が飛んでいく。

「あー…ごめん。明日朝が早いのと、終電とか気にしたくなくて。今日は帰ろうかな」

そう言うと、朱莉は心底がっかりした顔をした。

「そっか、電車の時間があるんだ。じゃあ仕方ないね。また会えるかなぁ?」
「もちろん!また連絡するけど、来週木曜とかどうかな?」
「いいね。じゃあ来週木曜に」

きっと朱莉は電車にも乗らないだろうし、タクシー移動だから“終電”なんて気にしたことがないはずだ。

でも別に朱莉自身は良い子だし、別にこちらにガンガン迫ってくるわけでもない。ここで切るのは勿体無いし、もう少し会って見極めてみたい。

そう思ったから、比較的早く次のデートを実行した。


A2:まだ遊びたいし、急に重くなったので逃げた。


そして二度目は、食事からではなく飲みからにした。別に食事をしても良かったのだけれど、そこまでお金をかけるのはまだ違うかなと思ったからだ。

「ごめんね、忙しくて。本当は食事へ行きたかったんだけど…」
「ううん、いいの。会えるだけでも嬉しいから」
「朱莉ちゃん、今日も可愛いね」
「ありがとう…」

デートで女性が喜びそうな言葉を、取り敢えず並べてみる。でも朱莉はそんなふわっとした言葉に対しても、素直に喜んでくれるので、褒め甲斐がある。

すると、朱莉が急に真剣な顔をこちらに向けてきた。

「雄大くんって…今、彼女いるの?」
「いないよ。いたら朱莉ちゃんをデートに誘わないでしょ。3ヶ月前に別れたばかり」

今は、別れたばかりなので結構色々と遊んでいる。もちろん他の子とも何人か同時に会っている。

でも別に独身だし、朱莉と付き合っているわけではない。ただ今は、自由に遊びたい気分だった。

「じゃあ結婚してるとか?」
「それはもっとない。独身だよ。家見に来る?」

実を言うと、家には元カノの荷物がまだある…というより、実はまだ元カノが出て行ってない。だから家に来られると正直困るけれど、別に言うのはタダだ。

それに、きちんと別れているので嘘ではない。

「え、いいの?今度行きたい」
「わかった。掃除しておくね」

そんな会話をしていると、朱莉はさらに迫ってきた。

「私ももうしばらく彼氏いなくて。今年の年末こそはって思っているんだけどね」
「奇遇だね。僕たち…お互い募集中ってことだ」
「雄大くんは、恋人を作る気はあるの?」
「もちろんだよ」



朱莉は、彼氏が欲しくて焦っているようにも見える。それは年末が近づいているからなのか、純粋に寂しいのか…。

なんとなくこのままだとクロージングまで持っていかれそうだったので、軽めに切り上げて店を出ることにした。

しばらく歩くとけやき坂の綺麗なライトアップが見えてきた。朱莉はとても嬉しそうに、そしてどこか眩しそうにそのライトアップを見上げている。

「何度見ても、私、ここのライトアップ好きなんだ…。東京だなって感じられるから」

その点に関しては、僕も同意だった。毎年、毎回…。ここのライトアップは、なんだか特別な気持ちにさせてくれる。

そんなライトアップのもと、僕たちは坂を一緒に上って歩く。



「もう年末だねー…」
「歳を重ねると、一年があっという間だな」
「雄大くん、クリスマスと年末は何かするの?」
「僕?何も決めてないよ」

すると、朱莉はまたグイっと攻めてきた。

「…良ければ、二人で一緒に過ごさない?」
「朱莉ちゃんと?逆に、一緒に過ごせるの?朱莉ちゃん人気者だから、お誘い殺到してないの?」

正直、クリスマスとかそういう特別な日は大好きな人ができた時のために一応空けておきたい。

それにもし誰もいないなら、むしろ一人で過ごしてもいい。

ただ朱莉の中ではもう勝手に盛り上がっているようで、話がどんどん進んでいく。

「今年のクリスマスこそ、彼氏と過ごすって決めていたから嬉しいな」

― ん??彼氏?俺たち、付き合ってないよね?

そう思っていると、次は朱莉が手を繋いできた。

「どうしたの?」
「ううん。クリスマス、楽しみだなと思って」

綺麗なイルミネーションの下、手を繋いで歩く僕たち…。

― やばい、このままだと勝手に話が進みそうだ。

そう思い、内心焦ると同時に冷めていく。

朱莉が何か悪いことをしたわけではない。ただクロージングの圧がすごいし、“クリスマスまでに幸せになりたい!”という思いがひしひしと伝わってくる。

その圧に僕は少し押され…そしてここまでグイグイ来られると今このタイミングは僕からすると少し窮屈で、なんとなく返信もできず、どうすれば良いかわからないので未読にしている。


▶【Q】はこちら:2回デートして手も繋いだのに、LINEを未読スルーに。女のメッセージに返信しない男の心理とは

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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年末に女が別れを決めたワケ


配信元: 東京カレンダー

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