いつまでも輝く女性に ranune
「子供たちも乗っている」軽自動車を“あおり運転”した大型トラックが警察に捕まるまで――大反響セレクション

「子供たちも乗っている」軽自動車を“あおり運転”した大型トラックが警察に捕まるまで――大反響セレクション

◆執拗にあおるスポーツカーにヒヤリ


道路
 佐々木美咲さん(仮名・30代)は、訪問介護の仕事をしている。車いすの利用者を乗せ、病院やリハビリセンターなどへの送迎を担当することも多いそうだ。

「リフターつきの車両は、後部座席に直接衝撃が伝わるんです。だから、急ブレーキや急ハンドルは絶対に避けなければいけません。常に神経を張りつめて運転をしています」

 その日は、県道を走っていた。利用者の自宅まであと数キロという地点で、後ろから異音が聞こえたという。

「“ブオォーーン”って爆音がして、バックミラーを見ました。すると、メタリックブルーのスポーツカーがものすごい勢いで近づいてきたんです」

 次の瞬間、クラクションとパッシングが繰り返され、車間距離を詰めて執拗にあおられたそうだ。

「お客さんを乗せているから、福祉車両として速度は控えていたし、無理な運転はできません。すごく怖かったですね」

 下手にブレーキを踏むのも危険だと判断し、佐々木さんは慎重に運転を続けていた。だがその直後、スポーツカーは右車線に入り、幅寄せをしてきたのだ。

「思わず『ぎゃあああ!』って声が出てしまいました。当たるかと思って、走馬灯が見えた気がしました」

 佐々木さんは必死にハンドルを切り、間一髪のところで衝突を回避。スポーツカーはそのまま蛇行しながら、視界の先へと消えていった。

◆見覚えのある車体と赤色灯


 緊張で手汗を握りしめながら運転を続け、ようやく利用者の自宅近くまでたどり着いた。すると前の方に、赤色灯を点滅させたパトカーが見えてきたという。

「警察官が1人、なにか話をしている様子でした。その横には、さっきのスポーツカーが止められていたんです」

 すると後部座席で、利用者がポツリとつぶやく……。

「……捕まっちゃったねぇ」

 無理な幅寄せかスピード違反か、詳細はわからない。ただ、過剰な運転に対してきちんと取り締まりが行われたことに、佐々木さんは少し安堵したようだ。

 その後、佐々木さんは気を引き締め直し、無事に利用者を自宅まで送り届けた。

「仕事中はとにかく安全第一。今回みたいな危険な運転は、本当にやめてほしいです」

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
配信元: 日刊SPA!

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