◆来店した弁護士がセクハラ発言を録音
相手が地元の老人たちということもあり、強く抗議することもできず対処に苦しんでいた前田さん。しかし、ある日を境に老人グループは店に来なくなったそうだ。老人グループを成敗してくれたのは、意外なお客さんだったという。「10月の終わり頃に、来てくれた女性のお客さんが老人たちを退治してくれた。そのお客さんは、近くの大学に仕事で来ていた弁護士さんで、学生たちから迷惑な客がいることを聞いていたそうです。弁護士さんが来店した日に、タイミング良くその老人グループもお店にいた。案の定というか、酔っ払ったひとりが弁護士さんに絡みだして、セクハラ発言を行ったんです。すると、その弁護士さんは、内容をすべてスマホで録音していて、セクハラをしてきた老人を訴えるとその場で切り出した。また、従業員に行ったセクハラやカスハラも録音していて、バイトにも訴えるようアドバイスしてくれました」
◆裁判沙汰になりそうだったが…
「はじめは、弁護士さんが脅しで訴えると言っているのかと思ったのですが、本当に裁判を起こす準備をはじめていた。結局、老人グループは息子さんなど家族に連れられて店に謝罪へ来た。自分は訴えようとは思っていなかったので、二度と店に来なければ許すと伝えました。それに、店で起きたトラブルで裁判が起きるのも気分が悪いので、自分から弁護士さんに連絡して、訴えるのをやめるようにお願いしました。最終的には、弁護士さんのところにも謝罪にいき、涙を流して頭を下げたそうです」この騒動以降、平和な時間が戻ってきたそうだ。
「シニア層のお客さんの中には、金を払っているという意識が強いからか、飲食店で傍若無人な振る舞いをする人は意外に多い。最近では、自分の店では若い人たちよりトラブルを起こすケースが増えています。お酒を飲む場所なので楽しくなるのはわかりますが、節度を守って食事やお酒を楽しんでもらいたいです」
=====
居酒屋で羽目を外すのは良いが、きちんとルールを守らないと今回の老人グループのように痛い目に合うことを覚えておこう。
<TEXT/高橋マナブ>
【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている

