◆現実から目を逸らすと、運はどんどん悪くなる
Z李 ああいうビジネスって、「外部にハンドルを渡す装置」なんですよ。本来自分で回すべきハンドルを、「先生お願いします」「宇宙にお任せします」って渡しちゃう。そうすると、自分の判断力と行動力がどんどん弱っていく。角 しかもハンドル渡されてる側は、「自分はスピリチュアル的に目覚めている」と思い込んでいますからね。
Z李 そう。実際には借金と依存度だけ上がって運が悪くなってるのに、「これは魂の試練だ」とか、「カルマの精算だから」とか、全部スピ用語で正当化する。
角 そうですね。「前世で貴族だったから今つらい」とか、「魂レベルが高いから社会になじめない」とか、全部ストーリーにしちゃう。
Z李 あれやりだすと、本当に何もしなくなるんですよ。現実を変えるための行動力が、きれいに削られていく。
角 引き寄せも同じで、「現実を動かすための燃料」に使うか、「現実から目をそらす麻酔」に使うかで、運の方向がまったく変わってしまいますよね。
Z李 麻酔として使い始めた瞬間から、運は下り坂。現実をちゃんと見た上で、「とはいえ、うまく転ぶかもしれないしな」とか、「ここで一発チャレンジしてみるか」と思えるヤツのほうが、結果的に運がいい。占いも引き寄せも、その程度の距離感で付き合うのが一番だと思いますね。
(第三回に続く)
【Z李】
座右の銘は「給我一個機会、譲我再一次証明自己」。経歴不詳、表と裏の境界線上にいるインフルエンサー。X(旧Twitter)のフォロワー90万人超。週刊SPA!にて2021年より長編小説『飛鳥クリニックは今日も雨』を連載、2023年に書籍化。2025年にてドラマ化もされた(配信サイトLeminoにて視聴可能)。新著『君が面会に来たあとで』(幻冬舎)。

オカルト研究家。上智大学文学部を中退後、2013年にオカルト専門メディア「TOCANA」を立ち上げ、約8年間編集長を務める。自身のYouTubeチャンネル「角由紀子のヤバイ帝国」は登録者数30万人超。主な編集本に『見つけてください』(横澤丈二著/徳間書店)、著書に『引き寄せの法則を全部やったら、効きすぎて人生バグりかけた話』(扶桑社)など。


