「原因不明だから我慢するしかない」と抱え込みがちな不定愁訴。でも、生活習慣や食事の工夫でつらさを和らげることはできます。忙しさと楽しさが入り混じる年末年始を元気に過ごすためのセルフケアを、医師の石原新菜さん監修で解説します。
原因不明だけどできる対策はある
検査をしても特に問題がないのに、体がだるかったり、不安感に襲われたり…。そんな原因不明の体調不良を指す不定愁訴。不調を抱えたままだと人との約束が難しく、何かと忙しい年末年始も不安ですよね。
前編では、不定愁訴の考えられる要因について解説しましたが、今回の後編では、つらい症状を和らげる対策を紹介していきます。
不定愁訴は「病気じゃないから我慢するしかない」と抱え込みがちですが、できる対策はあります。症状緩和をサポートするセルフケアで、不定愁訴と上手に付き合っていきましょう。
生活習慣で意識したいこと3選
不定愁訴のつらい症状を和らげるポイントは、生活習慣や食事にあります。
生活習慣でまず意識したいのは、以下の3つです。
1.毎朝、朝日を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて、自然光を浴びるようにしましょう。
朝日には体内時計をリセットする働きがあります。そのため、「朝日を浴びる」習慣をつけることで、昼間は活動モードの交感神経が、夜間は休息モードの副交感神経が優位になりやすいリズムが整えられ、自律神経のバランス改善につながります。
また、朝日を浴びると、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが脳内で分泌されます。
セロトニンは自律神経のバランスを調整する働きがあり、不足するとめまいや頭痛、うつ病のリスクが高まるといわれています。
朝日を浴びる時間の目安は15秒ほどです。くもりや雨の日でも光の量は十分にあるので、毎朝窓際で空を見上げる習慣をつけましょう。
2.週に2~3回の運動習慣
運動はストレスの解消につながる他、自律神経のバランスを整える働きもあると言われており、不定愁訴の対策として有効です。
中でもおすすめなのは有酸素運動。無理のない範囲で、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を取り入れましょう。
運動量の目安は、週に2~3回、1日30分程度です。
朝日を浴びながらウォーキングやジョギングをすれば、セロトニンの分泌も促されて一石二鳥です。
3.意図的にリラックスする時間を作る
不定愁訴の要因の一つとされる自律神経を整えるためには、ストレスと上手に付き合っていくことが大切。そこでおすすめなのが、日々の生活の中で意図的にリラックスする時間を作ることです。
方法は、音楽を聴く、ペットと触れ合うなど、自分がリラックスできるものなら何でも大丈夫。映画やスポーツ観戦で心を動かすことも、自律神経によい影響を与えます。まとまった時間が取れない場合は、寝る前に数分間、深呼吸や瞑想をするだけでもいいでしょう。
自分が「楽しい」「心地よい」と感じられる時間を積極的に作ることが、ストレス解消につながります。

