◆キャロットファームがリーディング3位以上を確保する条件は?

実際に、2009年に馬主リーディング4位となったのを最後に、昨年まで15年連続で馬主リーディングトップ3入りを果たしている。さらに14年と16年にはリーディング首位の座を手にするなど、同じノーザンファーム系のサンデーレーシングと双璧と呼べる関係を築いてきた。
今年はヘデントールが天皇賞・春を制し、クラブ馬として2年ぶりにG1を制覇したが、今のところJRAのG1勝利はそれだけ。今年の残り2つのG1に出走が決まっているのは、有馬記念のタスティエーラとシュヴァリエローズの2頭という状況だ。
3位シルクレーシングとは2億円弱の差があり、残り2日間で逆転は十分可能だが、3位以上を確保するためには、やはり有馬記念でタスティエーラかシュヴァリエローズの激走がマストといえるだろう。
◆ヘデントール登録でライラックが出走圏外に
そんなキャロットファームを巡っては、今年のクラブ唯一のG1馬ヘデントールに関して、ある騒動が勃発。競馬関係者やファンを巻き込む形で物議を醸している。同馬は今夏に剥離骨折を発症し、現在はノーザンファーム天栄にて放牧中。「基本的には年明けからの始動を予定している」とクラブの公式発表があったにもかかわらず、急転直下で有馬記念に特別登録を行ったことが騒動の発端だった。
ファン投票で一部の出走馬が決まるグランプリに出走しない方向にもかかわらず、ヘデントール陣営はナゼ登録してきたのか。
SNSなどでは様々な憶測が出ているが、それらの話を総合すると、当初の想定ではファン投票上位10頭目には6歳牝馬のライラックが入っていた。想定通りなら調教師への転身が決まった藤岡佑介騎手を背に、ライラックがゲートインするはずだったのだが……。
ライラックよりもファン投票で上位に入っていたヘデントールが特別登録したことで、ライラックがはじき出されるように“出走圏外”へ。それでも賞金順で上位6頭に入っていれば出走は可能だが、ライラックは賞金加算に必要な重賞2着以内に丸3年以上入っていない。そのため、複数頭の出走回避がない限り、ゲートインが不可能な事態となってしまったのだ。
逆にアシストを受ける形になったのが、ヘデントールと同じ木村哲也厩舎に所属するスティンガーグラスだった。ヘデントールの登録がなければ、賞金順で除外対象となっていたが、滑り込みでゲートインに近づく形となった。

