今回は、ある乗客の周囲への配慮が欠けた行動に戸惑ったという2人のエピソードを紹介する。
◆乗降の邪魔になる“ドア地蔵”

「しかし、ドア前の男性が全然動かないんです。本来なら降りる人のために一度外へ出てスペースをつくるはずですが、まるで壁のようにそのまま立っていました」
巷では“ドア地蔵”と呼ばれる行為だが、ドアが開いた瞬間、降りようとする乗客がその男性にぶつかり、車内は押し合いになった。田中さんも背後から押され、バランスを崩しそうになるほどだった。
「男性はイヤホンをしてスマホを見ていました。周りが迷惑しているのに気づいていない。さすがにイラっとしましたね」
結局、降りる人たちは男性をよけるように、体をひねりながらホームへ出ていった。車内では、ため息があちこちで漏れていたという。
◆座った途端に流れ出した“爆音”
中村慶子さん(仮名・50代)は、12月の寒い朝に駅のホームで電車を待っていた。到着した電車に乗ると運よく座れ、「これで落ち着いて温まれる」とホッとしたという。
ところが、次の駅で乗ってきた女性が最悪だった。
「女性は座るなり音楽をかけ始めたんですが、音漏れどころじゃなくて“爆音”でした」
迷った末、中村さんは勇気を出して声をかけた。
「すみません、音漏れしているみたいなんですけど……」

