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民泊はなぜ“年間180日”営業なのか?「民泊新法」の仕組みと365日営業に向けた現実的な条件

民泊はなぜ“年間180日”営業なのか?「民泊新法」の仕組みと365日営業に向けた現実的な条件

365日営業を望む場合に必須となる「旅館業免許」

「180日縛り」を突破しようとしても、現状では非常に困難であるのは間違いありません。そのため、対策としては、

  • 「旅館業」免許(許可)を取得し、旅館としても運営する

この一択しかありません。

「ウィークリーマンション」でも旅館業の許可が必要ですが、365日営業として、旅館業の免許を取得して民泊を運営するのです。

しかし、旅館業の免許取得はなかなかにハードルが高いといえます。特に、不動産物件を購入して事業を行う事業者は、慎重に行う必要があります。

なぜなら、賃貸で借りた場合なら少額の損失で済むこともありますが、数千万円かけて不動産を購入して「旅館事業を始めるぞ!」となっても、そもそも旅館業の許可が下りない物件だったならば、目も当てられませんよね?

旅館業免許取得のための11のチェックポイント

旅館事業をきちんと成功させるためにも、旅館業免許取得の11のチェックポイントを確認しましょう。

(1)旅館業免許を取得できるエリアなのか?

建築基準法上、「ホテル、旅館」の用途地域は次の5つです。

  • 商業地域
  • 近隣商業地域
  • 準工業地域
  • 第1種住居地域(制限あり)
  • 第2種住居地域

住居専用地域や都市計画法に基づく文教地区では営業できませんので注意してください。その他、行政の地区計画の定めによる宿泊営業の禁止もあります。

(2)延床面積が200m2未満か?

比較的小さい200m2未満の物件ですと、役所の建築申請が不要になり、ハードルが下がります。

(3)敷地が建築基準法上の「道路」に接道しているか?

建物の敷地が建築基準法上の「道路」(幅員4m以上、もしくはいわゆる2項道路として定められている道)に接しているかを確認します。

非接道の再建築不可物件は営業不可となります。

(4)間口距離は4m以上あるか?

旅館やホテルの建物の敷地が、建築基準法上の「道路」に2m以上接していることが必要。

さらに、東京都では、条例により、間口距離が4mと厳格です。

(5)消防設備は?

民泊、旅館業ともに、火災報知器などの消防設備工事が必要です。

共同住宅の場合、使用する室だけでなく全室に消防工事を施さなければならない場合があります。

(6)トイレの数、洗面台の数は自治体の基準を満たすか?

2018年の旅館業法改正で、トイレ設置の数値基準は撤廃されました。

ただ、注意しなければならないのは、各自治体が上乗せ条例で基準を設定していることです。物件が立地する自治体の条例をよくチェックしてください。

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