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かかりつけ薬剤師とは?働く条件や算定要件、なるメリット・デメリットを解説

3.かかりつけ薬剤師になるための条件は?

かかりつけ薬剤師になるには、以下5つの条件を満たす必要があります。

  1. 薬剤師として保険⁨薬局での勤務経験が3年以上あること
  2. 勤務先の薬局で週32時間以上勤めていること
  3. 勤務先の薬局に1年以上在籍していること
  4. 認定薬剤師資格を保有していること
  5. 医療にかかわる地域活動への参加していること

1.薬剤師として保険⁨薬局での勤務経験が3年以上あること

かかりつけ薬剤師として働くには、保険⁨薬局での勤務経験が通算3年以上必要です。病院や診療所などの保険医療機関での勤務経験は、最大1年まで算入できます

ただし、育児や介護などで休業していた期間は、勤務経験年数に含まれません。

2.勤務先の薬局で週32時間以上勤めていること

かかりつけ薬剤師は24時間対応が求められるため、基本的に常勤薬剤師として勤務している必要があります。

なお、育児・介護休業法による時短勤務中の薬剤師は、すでに別のかかりつけ薬剤師が勤務先にいる場合に限り週24時間以上かつ4日以上の勤務で要件を満たすことができます。

3.勤務先の薬局に1年以上在籍していること

かかりつけ薬剤師が頻繁に変わってしまわないよう、勤め先の薬局に連続して1年以上在籍していることが条件となっています。

これまでは「当該薬局に6ヶ月以上在籍」とされていましたが、2018年の診療報酬改定以降、必要な期間が1年に変更されました。

4.認定薬剤師資格を保有していること

継続的な自己研鑽(けんさん)の証明として、研修認定薬剤師や認定実務実習指導薬剤師などの研修認定を取得する必要があります。

なお、各資格の認定期間は3〜5年程度です。認定期間が終了する前に所定の単位を取得し、更新申請をおこないましょう。

5.医療にかかわる地域活動への参加していること

かかりつけ薬剤師は、地域医療に関連する取り組みに参加することが求められます。地域活動として認められる活動は以下のとおりです。

地域活動の具体例

  • 地域向けの健康フェアにおける相談対応
  • 地域向けの薬や健康に関する研修会での講師
  • 行政からの依頼による注射針や水銀体温計の回収
  • 行政からの依頼による夜間休日急患センターでの勤務など

薬局の施設基準

かかりつけ薬剤師指導料の加算を受けるためには、患者のプライバシーに配慮した構造が求められます。具体的には、ほかの患者に会話の内容が聞こえないように、パーテーションで区切られた独立したカウンターを設置するなどの対策が必要です。

4.かかりつけ薬剤師になるメリット・デメリット

メリット

報酬アップが期待できる

かかりつけ薬剤師として業務をおこなうと、「かかりつけ薬剤師指導料」や「包括管理料」などが算定できるため、薬局によっては待遇面での優遇が期待できます

また、健康に関する幅広い知識や高いコミュニケーション力が求められるため、かかりつけ薬剤師としての実務経験があれば、転職時に評価されやすい傾向があります。

地域の患者と継続的に向き合える

かかりつけ薬剤師と患者の関係は長期にわたります。処方や調剤、健康に関する相談も一元的におこなうため、効果的な治療の提案や健康管理が可能になります

また、かかりつけ薬剤師は、患者からの信頼と指名があって初めて成り立つ仕事です。薬の説明だけでなく、患者の生活に寄り添うことが求められるため、これまでとは違うやりがいが見つかるかもしれません。

デメリット

かかりつけ薬剤師は、原則として24時間対応を求められます。業務時間外に患者から相談を受ける可能性もあるため、負担を感じることもあるでしょう。また、定期通院している患者から指名を受けた場合、特定の曜日に有休が取りにくくなる可能性もあります。

また、通常の「服薬管理指導料」は45点か59点なのに対し、「かかりつけ薬剤師指導料」は76点と高くなっているため職場によっては指名件数にノルマを課していることもあります。

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