3.認定介護福祉士の研修内容
認定介護福祉士養成研修はⅠ類とⅡ類から構成され、合計600時間で実施されます。全研修課程を修了するまでにかかる期間は1年〜1年半程度です。
また、実施団体や受講科目によっては、事前に「介護福祉士ファーストステップ研修(全232時間)」の修了が求められる場合があります。この場合、認定までに800時間以上かかることになります。
認定介護福祉士養成研修Ⅰ類
Ⅰ類では、医療、リハビリテーション、福祉用具、認知症、心理・社会的支援といった多岐にわたる専門職の視点から、生活支援において必要となる知識を幅広く習得します。地域包括ケアシステムで連携するさまざまな専門職の知識を学ぶことで、より円滑な多職種連携が期待できます。
領域名 | 科目名 | 時間 |
|---|---|---|
認定介護福祉士養成研修導入 | 認定介護福祉士概論 | 15 |
医療に関する領域 | 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅰ | 30 |
疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅱ | 30 | |
リハビリテーションに関する領域 | 生活支援のための運動学 | 10 |
生活支援のためのリハビリテーションの知識 | 20 | |
自立に向けた生活をするための支援の実践 | 30 | |
福祉用具と住環境に関する領域 | 福祉用具と住環境 | 30 |
認知症に関する領域 | 認知症のある人への生活支援・連携 | 30 |
心理・社会的支援の領域 | 心理的支援の知識技術 | 30 |
地域生活の継続と家族支援 | 30 | |
生活支援・介護過程に関する領域 | 認定介護福祉士としての介護実践の視点 | 30 |
個別介護計画作成と記録の演習 | 30 | |
自職場事例を用いた演習 | 30 |
認定介護福祉士養成研修Ⅱ類
Ⅱ類では、Ⅰ類で習得した知識の応用方法や、根拠に基づいた介護を実践・指導できる能力を身につけます。
領域名 | 科目名 | 時間 |
|---|---|---|
医療に関する領域 | 疾患・障害等のある人への生活支援・連携Ⅲ | 30 |
心理・社会的支援の領域 | 地域に対するプログラムの企画 | 30 |
マネジメントに関する領域 | 介護サービスの特性と求められるリーダーシップ、人的資源の管理 | 15 |
チームマネジメント | 30 | |
介護業務の標準化と質の管理 | 30 | |
法令理解と組織運営 | 15 | |
介護分野の人材育成と学習支援 | 15 | |
自立に向けた介護実践の指導領域 | 応用的生活支援の展開と指導 | 60 |
地域における介護実践の展開 | 30 |
4.認定介護福祉士の養成研修を受講するメリット
包括的な介護スキルが習得できる
認定介護福祉士の研修では、介護福祉士養成課程では学ばない、医療や心理・リハビリなど、ほかの専門職の知識を得られます。
介護に関する包括的なスキルを習得することで支援の幅が広がり、多職種との連携もより円滑になります。その結果、より質の高い介護サービスの提供につながります。
マネジメントや地域介護に関する知識やスキルを学べる
認定介護福祉士の研修では、介護技術のほかに、人材マネジメントや、介護チームのリーダーに対する指導のノウハウ、地域介護に関する専門的な知識やスキルを習得できます。
全国の意欲的な介護福祉士とつながれる
認定介護福祉士の研修には、全国の介護現場でリーダーを務める介護福祉士が参加します。600時間に及ぶ研修やグループワークを通じて、実務に活かせる知見を共有したり、横のつながりを築いたりすることができます。

