3.スクールソーシャルワーカーになるには
資格または技術・経験が必要

スクールソーシャルワーカーとして働くには、福祉の専門資格である社会福祉士、精神保健福祉士、心理学の専門資格である臨床心理士や公認心理師いずれかの資格が要件となっていることが多いです。
ただし、なり手不足などの課題を抱える地域や学校においては、知識や経験に応じてスクールソーシャルワーカーとしての就労が認められるケースもあります。
福祉系有資格者ルート
社会福祉士または精神保健福祉士は、資格取得後に日本ソーシャルワーク教育学校連盟が実施する教育課程を修了する必要があります。
心理系有資格者ルート
臨床心理士または公認心理師は、指定された保健福祉系の大学院へ進学し、卒業することが必要です。
特例ルート
上記以外にも、福祉・教育分野における専門的な知識や技術、経験があり、以下の業務が遂行可能と判断されれば就労できる場合があります。
- 問題を抱える児童・生徒が置かれた環境への働きかけ
- 関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整
- 学校内におけるチーム体制の構築、支援
- 保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供
- 教職員等への研修活動 など
スクールソーシャルワーカーの保有資格

スクールソーシャルワーカーの保有資格は、社会福祉士(63.9%)精神保健福祉士(33.9%)の順となっており、福祉関連の有資格者が多いことがわかります。この理由には、心理系の資格より福祉系の有資格者が多いことや、福祉系の資格は就労までのハードルが比較的低いことなどが考えられます。
4.スクールソーシャルワーカーの給料と将来性
| 平均年収 | 割合 | |
|---|---|---|
| 正職員 | 464万円 | 6.1% |
| 契約職員 | 295万円 | 64.0% |
| パートタイム職員 | 241万円 | 28.9% |
| 派遣職員 | 200万円 | 0.6% |
公益財団法人社会福祉振興・試験センター|社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査(令和2年度)結果報告書より作成
スクールソーシャルワーカーの平均年収は正職員で464万円、契約職員で295万円という結果でした。また、正職員として就業している割合は6.1%となっており、9割以上が非正規雇用の職員です。雇用形態による賃金格差が大きいため、正規雇用の拡充や処遇改善が必要です。
児童・生徒が抱える問題は多岐にわたり、とくにいじめや不登校の件数は増加しています。専門職や学校、関連機関などが連携をとって早期に防止し対応することが大切です。
スクールソーシャルワーカーの配置・活用状況は自治体ごとに差があるため、学校や地域における格差をなくし、児童・生徒に必要な支援を届けることが期待されます。
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参考
- 文部科学省|スクールソーシャルワーカー活用事業に関するQ&A
- 文部科学省|児童生徒の教育相談の充実について

