医療クラーク(医療事務作業補助者)との違いは?
病院やクリニックで事務作業を行う職種には、医療事務の他に、「医療クラーク(医療事務作業補助者)」があります。
医療クラークの主な仕事は、医師や看護師の業務負担を減らすために、書類作成や事務業務を補助することです。具体的には、医師の指示のもと、診断書や処方箋の作成、カルテ入力、行政上の届け出などを行います。
また、患者さんの入院時の病室手配、各種の検査科やリハビリテーション科などへの情報伝達が、業務に含まれる場合もあります。
近年、病院やクリニックで働く医師・看護師の人手不足、業務量の多さが問題視されています。医師や看護師の業務量が多くなればなるほど、患者さんの診察や治療における十分なケアが行いづらくなります。
そのような課題を背景として、医師や看護師の仕事を補助する医療クラークが働くようになり、医療クラークの働きにより、医師の事務作業が1日2時間短縮できたという報告もあります。
医療秘書は、医療事務の仕事や秘書業務に加えて、前述した医療クラークとしての診察・治療補助まで行います。
医療秘書に資格は必要?
医療秘書として働くために、とくに取得が必須となる資格はありません。実際に、医療秘書の経験や資格を問わずに、求人募集を出している病院やクリニックも多いようです。
また、取得必須ではありませんが、医療秘書の専門知識を身につけられる資格もいくつかあります。資格取得や学んだ知識が就職の際に役立つこともあると思いますので、医療秘書に関係する2つの資格を紹介します。
◆日本医師会認定医療秘書
「日本医師会」が認定する資格。高度な情報化社会の中で、高い情報処理能力や専門的な医療事務の知識を兼ね備えた人材の育成を目的にしています。認定を受けるには、日本医師会が指定した大学、短大、専門学校の教育課程の修了、認定試験の合格、検定(秘書検定など)の取得が必要となります(参考サイト:日本医師会認定医療秘書)。
◆医療秘書技能検定
「医療秘書教育全国協議会」が認定する資格。医療秘書教育全国協議会に入会している養成校での教育課程を修了すると、医療秘書技能検定の受験資格が得られます。医療秘書技能検定に合格すると、就職活動の際、医療機関側が医療秘書としての習得レベルを判断する1つの目安として役立ちます(参考サイト:一般社団法人 医療秘書教育全国協議会)。

