ICUの看護師になるためには?
ICUの看護師は、新卒者を配属し教育していくか、適性を見極めて配属することがほとんどです。
自らICU配属を希望するのであれば、少なくともBLS(Basic Life Support:一次救命処置)、ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support:二次心肺蘇生法)やJPTEC(Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care:病院前外傷教育プログラム)などの資格を得たほうがいいでしょう。
さらに呼吸療法認定士やNST専門療法士、せん妄や認知症患者に関連する資格があればさらに有利だと思います。
また、専門的な勉強だけでなく、日々の看護の中でもデータと臨床の症状を結びつけて、ICU的にアセスメントするクセをつけましょう。
生体の正常値を覚えるだけでなく、患者の病態に合わせて脈拍と血圧の関係が説明できるようにしたり、Spo2だけ測って正常だと判断せずに、呼吸数と関連して酸素化を説明したり、採血データから代謝を読み取り、データの変化から何をアセスメントするか考えてみたりすることが大切です。
方法論が違うだけで、ICU看護師も一般病棟の看護師も、患者の回復を支援し異常の早期発見の看護は同じです。
ICUの看護師にはどんな人が向いている?
ICUの看護師には、病態だけではなく、進歩している医療機器などの勉強も苦にならない人が向いていると思います。
私自身セミナーを開催し、参加もしていますが、必ずといっていいほどICU看護師が参加しています。最近では倫理研修や心理セミナーでも出会うことがあり、貪欲に学ぶ姿勢を尊敬しています。
看護はどの現場でもチームとして協調性が求められますが、ICU看護師はとくにその傾向が強いです。生命の危機に密接な場だからこそ、緊張感を高めないようにすることが必要です。
そのため、自分の業務が大変な時でも協調性をもって、チームの仕事に貢献することができる人は向いていると思います。
また、ICU看護では日常で起こらないことに毎日向き合っています。自分の感情が不安定になることもあり、仲間のICU看護師に支えられることも多くあります。そのため、患者や家族など限定することなく、人を支えたいという想いの方が向いているのではないでしょうか。
(謝辞)
今回の執筆にあたり、ICU師長や急性・重症看護専門看護師、集中ケア認定看護師、ICUに所属している看護師たちにインタビューを行い、快くご協力いただきました。ありがとうございました。

