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透析クリニックで働く臨床工学技士の仕事内容は? 病院勤務との違い、メリット・デメリットを解説

透析クリニックで働く臨床工学技士の仕事内容は? 病院勤務との違い、メリット・デメリットを解説

透析クリニックで働く臨床工学技士

透析クリニックでの仕事内容

臨床工学技士の代表的な業務のひとつである血液透析業務は、透析クリニックのメイン業務です。透析は学生時代の学内実習でもしっかりと勉強する分野ではありますが、透析についてもう一度おさらいして、病院勤務との仕事の違いを理解しましょう。


そもそも透析とは?

人工透析は、慢性腎不全などの患者さんに「ダイアライザー」と呼ばれる人工腎臓を使用して老廃物や余分な水分を取り除く治療法です。


腎機能が低下すると、体の中に余分な水分や老廃物が溜まり尿として排出できなくなり、心臓に負担をかけるなどの症状が懸念されます。


透析患者さんは、週3回、1回につき4〜5時間の治療時間が必要になります。透析療法を受けている患者数は国内で32万人を超えており、今後も増えることが予想されています。


(参考)
日本透析医学会「我が国の慢性透析療法の現況 Ⅰ‐1)- (2)慢性透析患者数の推移」より

病院で働く臨床工学技士との仕事の違いは?

病院に勤務する臨床工学技士は、病院の規模によって業務に違いがあるものの、血液浄化業務の他に、機器管理業務、手術室業務、呼吸治療業務、人工心肺業務などを行っています。


一方、透析クリニックは、血液浄化業務の中の血液透析業務に特化しており、治療で使用する医療機器の始業点検や定期点検を行う場合もありますが、基本的には透析業務に従事します。


病院勤務の場合は、ローテーターとしていろいろな業務に従事する場合と、得意な分野の業務を専任で担当する場合の2パターンがあります。


病院の場合、新人は透析を担当しながら他の業務の経験を重ねることが多いですが、クリニックの場合は透析に特化しているため、透析クリニックの方が同職種で経験年数が同じでも専門性や知識量が豊富であると言えるでしょう。

透析クリニックでの働き方

透析クリニックは、急性期病院に比べると患者さんと接する時間も多く、トラブル対応以外はゆっくり時間が進んでいきます。透析クリニックの勤務形態や1日の仕事の流れを把握して、クリニックでの働き方をイメージしてみましょう。


一般的な勤務体系

多くの透析クリニックは、シフト制や曜日の固定休で週休2日、あるいは月8日休みなどの勤務体系を取っています。年間の休日数は120日前後で、比較的希望休も取りやすいです。


病院勤務の場合は、休日は暦どおりで土日祝日が休みの場合が多いですが、オンコールや当直、業務を専任していると、希望する休日を取得できない場合もあります。


透析クリニックは基本的に慢性期の疾患が対象になりますので、残業や遅番があってもオンコールや当直がなくプライベートの時間と仕事をしっかり分けることができます。


1日の仕事の流れ

透析クリニックで働く臨床工学技士はどのような1日を過ごすのでしょうか? クリニックによって若干の違いはありますが、1日の仕事の流れをご紹介します。


◆透析クリニックの1日
〜8:00 出勤・着替え

8:00〜 1クール目に使用する透析回路のプライミング・機械室立ち上げ・透析液濃度測定など

8:30〜 患者入室・穿刺(せんし)・透析開始

※透析開始から終了まで1時間おきにバイタルチェックとコンソールのチェックなどを行う。

※クリニックによってはこのタイミングで交互にスタッフが昼休憩に入る。

12:30〜 返血・透析終了・患者退出

13:00~ 2クール目がある場合は、回路をセットしプライミングを行う。

14:00~ 2クール目の患者入室・穿刺・透析開始

※以降は1クール目と同様に、透析開始から終了まで1時間おきにバイタルチェックとコンソールチェックなどを行う。

※2クール目を行っていないクリニックでは、1クール目が終わり次第翌日の回路の準備や機械室の点検、雑務、適宜休憩、勉強会やミーティングなどを行う。

17:30〜 業務終了・退勤

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